MicrosoftはGenAI(生成AI)のリーダーになれるか
生成AIブームは盛り上がりを見せています。日本語の生成AIは、英語のGenerative AIとはニュアンスが異なるため最近では、シリコンバレーでよく使われている省略形GenAIと呼ばれることが増えています。この記事では生成AIをGenAIと呼ぶようにします。 2023年7月18日、Microsoftは、Officeソフトウェアと連動する新たな法人向けGenAIツール「Copilot(コパイロット)」の利用料金を月額30ドルで提供することを発表しました。chatGPTに代表されるchat型のGenAIは、敷居が高くて使いこなすのが難しいと考えている人も多いと思いますが、業務で使用しているExcelやWord、パワポの中にGenAIが組み込まれることにより、爆発的にGenAIの利用が進むことが予想されます。 又、Meta(旧:フェースブック)は同日に、次世代のオープンソース大規模言語モデル「Llama 2」の提供開始を発表しました。更にMicrosoftとMetaは、長年のパートナーシップを拡大し、MicrosoftはLlama 2 の優先パートナーになることも発表しました。 Microsoftの株価は18日に約4%上昇し、過去最高値を更新し、時価総額は2兆6700億ドル(約372兆円)となりました。GenAIの世界でMicrosoftとMetaが連携し、Googleに対峙する事になります。 GAFAMのなかでMicrosoftはコンシューマー向けではなく企業向けの影響力が強いため、GenAIが一部の技術オタクのネタから一気にビジネスツールとして普及するかもしれません。 個人的にはWindowsのアップデート、Officeのバグ等でMicrosoftには痛い目ばかりあっていますが、GenAIのリーダーは何処になるのか、動向が気になります。 GenAIのメインプレイヤーはアメリカであり、日本企業はGenAI競争には関係なさそうですが、いいニュースもあります。 2023年7月6日に、日本のIoTスタートアップ企業のSORACOMと日本のAIの第一プレイヤーの東京大学大学院工学系研究科松尾研究室がGenAIのIoT分野での活用を研究・推進するチーム「IoT x GenAI Lab」を設立しました。これからは日本の新しい産学連携の新しいプレイヤーに期待したいと思います。