日本縮小#1 なぜ日本人の給料は上がらないのか? 「All You Need Is Innovation」
先日、ビザスク主催の「AIの進展とイノベーション(Innovation Day 2022 基調講演)」をオンライン視聴しました。講師は、日本のAIの第一人者である東京大学の松尾豊教授でした。 なぜ日本人の給料がアメリカ等の先進国に比べて上がらないのか?その要因の一つはイノベーション(Innovation)にあると言われています。イノベーションは新しい創造・発明で、新たな市場や新たな経済を生み出す現在の錬金術です。 この図は、経済産業省がWebに掲載している「スタートアップ」についての資料です。日本の株価とアメリカの株価はTOPIXとS&P500で変わりはありません。GAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)の株価が、アメリカの経済を大きく牽引していることがわかります。私たちは普段iPhoneでGoogle検索して、Amazonで買い物し、仕事でWindowsを使っています。使用しているのはアメリカの製品やサービスであり、お金はアメリカに吸い上げられて行きます。 図は企業の収益を示す公式です。y(t)が企業の利益を示します。利益が増える要因は2つあります。1つは頑張って利率(r)つまり儲けを増やす方法。2つ目は、高速に物事を進めることで(t)を増やすこと。特にtは指数なので効果は大きいです。つまり、経営の速度を上げることが成長の鍵となります。 1つは「スタートアップ企業」、日本でも、アメリカでも、事業速度を上げることは大企業より「スタートアップ企業」の方は有利です。2つめが「IT技術」、(t)を高速に回すため「インターネット、ソフトウェア」を中心とした「IT技術」を活用します。例えばソフトの品質を長時間のテストではなく、頻繁なアップデートで担保することができます。「スタートアップ企業」のEVメーカーのテスラは、ディーラーを持たず、自動車の機能更新をすべてソフトウェアで自動更新することで(t)を高速に回す戦略をとっています。 経済の成長に必要なのは「スタートアップ企業」と「IT技術」です。なぜ、日本でイノベーション(Innovation)が起きないのでしょうか? シリーズ「日本縮小」続きは#2で。 ちなみに「日本縮小」は小松左京「日本沈没」、「All You Need Is Innovation」はBe