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4月 23, 2023の投稿を表示しています

日本縮小#1 なぜ日本人の給料は上がらないのか? 「All You Need Is Innovation」

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先日、ビザスク主催の「AIの進展とイノベーション(Innovation Day 2022 基調講演)」をオンライン視聴しました。講師は、日本のAIの第一人者である東京大学の松尾豊教授でした。 なぜ日本人の給料がアメリカ等の先進国に比べて上がらないのか?その要因の一つはイノベーション(Innovation)にあると言われています。イノベーションは新しい創造・発明で、新たな市場や新たな経済を生み出す現在の錬金術です。 この図は、経済産業省がWebに掲載している「スタートアップ」についての資料です。日本の株価とアメリカの株価はTOPIXとS&P500で変わりはありません。GAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)の株価が、アメリカの経済を大きく牽引していることがわかります。私たちは普段iPhoneでGoogle検索して、Amazonで買い物し、仕事でWindowsを使っています。使用しているのはアメリカの製品やサービスであり、お金はアメリカに吸い上げられて行きます。 図は企業の収益を示す公式です。y(t)が企業の利益を示します。利益が増える要因は2つあります。1つは頑張って利率(r)つまり儲けを増やす方法。2つ目は、高速に物事を進めることで(t)を増やすこと。特にtは指数なので効果は大きいです。つまり、経営の速度を上げることが成長の鍵となります。 1つは「スタートアップ企業」、日本でも、アメリカでも、事業速度を上げることは大企業より「スタートアップ企業」の方は有利です。2つめが「IT技術」、(t)を高速に回すため「インターネット、ソフトウェア」を中心とした「IT技術」を活用します。例えばソフトの品質を長時間のテストではなく、頻繁なアップデートで担保することができます。「スタートアップ企業」のEVメーカーのテスラは、ディーラーを持たず、自動車の機能更新をすべてソフトウェアで自動更新することで(t)を高速に回す戦略をとっています。 経済の成長に必要なのは「スタートアップ企業」と「IT技術」です。なぜ、日本でイノベーション(Innovation)が起きないのでしょうか? シリーズ「日本縮小」続きは#2で。 ちなみに「日本縮小」は小松左京「日本沈没」、「All You Need Is Innovation」はBe

「海街diary」 私の好きな街、女優そして監督

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是枝裕和監督の映画「海街diary」は私が好きな日本映画のひとつです。 是枝監督が原作の漫画を映画化し、脚本も手掛け、鎌倉で1年以上をかけて撮影された、2015年公開の4姉妹の物語です。映画館で1度見た後も、Amazon Primeで何回か観ています。丁寧な日常の描写、淡々と流れる季節、心洗われるエピソード、愛する人の死、そして家族の再生のドラマは、心を打ち、観るたびに泣けます。 好きな街は鎌倉で、横浜からも近く、海に近く自然も豊かで、歴史的な建物もある観光地です。観光客も多いですが、少し外れたところには、おしゃれな古着屋、カフェ、美味しい飲食店も多く、落ち着いた雰囲気が好きです。住民の方も気さくで穏やかです。映画では鎌倉の古民家を舞台に、春の桜や夏の花火、鎌倉の美しい風景が描かれます。 好きな女優は長澤まさみで、現在の最強女優ではないかと思います。彼女の演技力は、「モテキ」「コンフィデンスマン」のはっちゃけた演技から、「エルビス」のシリアスな演技までの幅広さが相当なものです。この映画では、彼女は主役ではありませんが、樹木希林、大竹しのぶ、綾瀬はるか、夏帆、広瀬すずと錚々たる女優陣の中で、はすっぱな性格だけど悩みながら成長していく次女を演じました。 好きな監督は是枝裕和監督で、映画「歩いても歩いても」からのファンです。普通の家族の普通の日常を描き、その淡々とした日常が、何故か心ひかれます。「そして父になる」「海よりもまだ深く」あたりも好きな作品です。「海街diary」は、尊敬する小津安二郎へのオマージュでもあると思います。鎌倉は小津安二郎が住んでいた場所でもあり、樹木希林演ずる大船の叔母さんは、今はなき「松竹大船撮影所」のあった場所でもあります。 是枝裕和監督は新作の「怪物」も楽しみです。主演「安藤サクラ」音楽「坂本龍一」。奇しくも坂本龍一の遺作となる作品です。ちなみに「安藤サクラ」も好きな女優の一人です。 多少、観るのが怖い気もしますが.. 「海街diary」は安心して観ることができる映画ですから、GWにゆったりとTVでご覧になったらいかがでしょうか?

スワップの秘密

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今回は技術の話と昔の話です。 スマートフォンやパソコンは、CPU(Central Processing Unit)と呼ばれる小さなコンピューターで動作しています。CPUや周辺回路を入れたシリコンのカケラが半導体です。スマートフォン以外にも、炊飯器、時計、ミサイルなどあらゆる電気で動くものに入っています。半導体は不足したり、制裁で入ってこないと、色々なものが作れなくなる重要な部品です。CPUはメモリと呼ばれる別の半導体と共同で色々な仕事をします。CPUはメモリの上司です。 ここからがややこしい話、部下のメモリに対して、2つの系統の上司CPUが存在します。一つは図のようにリトルエンディアン(little endian)と呼ばれる素直でないメモリ格納方法の上司、代表的なのはインテルです。 もう一つはビッグエンディアン(big endian)と呼ばれる素直なメモリ格納方法の上司、代表的なのはモトローラーやIBMです。中にはどちらもできる上司CPUも存在します。 CPUを持つ装置間でメモリ上のデータ交換をすることを、コンピューター間通信と呼びます。代表的な通信方法がインターネット(Internet)です。 異なる上司CPUの装置が通信する場合、どちらかの方式に従う必要があります。インターネットにおいては、ビッグエンディアンという取り決め(Network Byte Order)が存在します。通信をするため、データの順番を入れ替えることをスワップ(swap)と呼びます。スワップは、一般的に入れ替える・交換するという意味ですが、技術者はこの入れ替えを「スワップする」と言います。 スマートフォンで写真を撮って、友人と共有することも、コンピューターの中では結構面倒くさいことが行われています。 私は以前、パナソニックである製品のソフトウェアを設計・開発するチームに所属していました。そこに、CPUや通信についてあまり知識のない新人が、チームに参加することになります。 職場では「そこスワップして」とか「だからスワップは大変」という会話が飛び交っていました。 ある時、新人くんが顔を赤らめて恥ずかしそうに小声で「スワップって恥ずかしいですよ」と私に言ってきました。どうやら「スワッピングパーティー的な」不道徳なパーティを想像したようです。確かに、普段は(swap)という言葉を使わないな。笑(これは

プーチンの首に鈴を付ける インターネット探偵 Bellingcat

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皆さんは「OSINT(オシント)」という言葉をご存知でしょうか?「OSINT(Open-Source Intelligence)」は「オープン・ソース・インテリジェンス」の略称で、誰でも入手可能なインターネット上に公開されている様々なオープンな情報を利用して、ネットニュース、Twitter、FacebookなどのSNSやYouTubeなどの動画、衛星画像、オンラインデータベースなどを調べ上げ、現場に行かなくても事象を分析することができる手法です。 これはオープンな情報を利用するため、国の情報機関でなくとも民間でも活動が可能なことから、「インターネット探偵」とも呼ばれます。OSINTで最も有名な組織が「Bellingcat」です。語源はイソップ童話の「誰が猫の首に鈴をつけるか」から来ています。 著書「We are Bellingcat」は、創始者のEliot Higgins が、 誕生の経緯から2014年のウクライナで起きたマレーシア航空17便撃墜事件の真相を暴き、2018年の元ロシア人二重スパイのセルゲイ・スクリパリ暗殺未遂事の関与した、ロシア工作員チームの身元を特定する過程を語った非常に興味深い本です。一読をお勧めします。 これらの事件を指示したのはロシアをスパイ組織で乗っ取った、今世紀最も残忍で狡猾な犯罪者プーチンです。 インターネット上では、毎日サイバー戦、情報戦、認知戦が仕掛けられ、それを防御し、嘘を暴く防衛戦が繰り広げられています。ロシアはサイバー攻撃を始め、偽情報、プロパガンダをばらまく情報戦を仕掛けてきます。更に、人々の感情を巧みに操作する高度な作戦として認知戦が展開されています。2016年のアメリカ大統領選挙におけるロシアのサイバー攻撃が有名ですが、もっと深刻なのが、トロールと呼ばれるSNSを利用したアメリカ世論の分断作戦です。ディープステイトのような滑稽なウソでも大量にバラ撒けば、一定数の人は信用します。 偽情報や認知戦は、人間の怒りや憎しみの情報は、伝達が速く、大勢に人に伝わりやすい仕組みを利用しています。情報は冷静に「自分の頭」で考えることが、インターネット上に生活する私たちの重要なスキルではないでしょうか。keep calm everything. イラストはCanvaAI(キーワード:SNS、嘘、拡散)で生成

テレワークで聞きべき音楽 グレン・グールド (Glenn Gould)

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音楽を聴きながらテレワークしている人も多いと思いますが、仕事に集中できる曲はありますね。私の場合は、グレン・グールド (Glenn Gould)のピアノ曲です。 私の仕事場でのオーディオ環境は、シリコンバレー発のスピーカー「SONOS-SL One」を使っています。「SL One」2台をステレオでペアリングして、iPhoneとAirPlayでWi-Fiでスピーカーに接続して、iTunes、Amazon Musicで好きな曲を聴いています。SONOSはWi-Fi接続により、Bluetoothよりデータ転送帯域が広いため、非常に音が良くて優れたスピーカーです。このスピーカーについては別途、詳細を記事にするつもりです。 テレワーク中に、最初はBrian Enoのアンビエントなどを流していましたが、やはりGlenn Gouldのピアノ曲が一番心落ち着き、仕事がはかどります。 天才であり変人であったGlenn Gouldは、1964年3月28日のシカゴを最後に演奏活動を止め、没年までレコード録音及びメディアのみで音楽活動を行っていました。 コンサート活動を止めてAbbey Road Studioで「Rubber Soul」を始めに名作アルバムを作り続けた、Beatlesのようでもあります。しかし、書籍「グレン・グールドは語る」のインタビューではBeatlesの音楽を「積み上げられたガラクタ」と酷評しています。 彼のピアノは、純粋でクリア、精細でしかも速い。シンセサイザーやビートもいいけれど、音楽の底の硬い芯(コア)が、Glenn Gouldのピアノかもしれません。私のお勧めプレイリストは以下の通りです。 バッハ:「ゴルトベルク変奏曲」BWV 988 - 1981年版がお勧めです。 バッハ「イギリス組曲」 BWV 806-811 バッハ「フランス組曲」 BWV 812-817 バッハ「イタリア協奏曲」ヘ長調 BWV 971 chatGPTクラッシック音楽評論家がお勧めのプレイリスト(解説付き) バッハ:「ゴルトベルク変奏曲」BWV 988 - グールドはこの曲を2回録音しており、世界的に有名です。 バッハ:「イタリア協奏曲」BWV 971 - グールドはこの曲を愛し、何度も録音しています。 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番イ短調Op.111 - 彼の演奏は、深い洞察力と、

横尾忠則 VS 画狂人・北斎

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横尾忠則さんは、イラストレーターの時期から、私の大好きな芸術家です。 YMO結成前の1978年の細野晴臣さんのソロ時代の傑作「はらいそ」のジャケットも横尾さんのデザインです。細野さんからYMOのメンバーになって欲しい要望があり、その気になって記者会見に出席する予定でしたが、仕事の都合で断念したエピソードがあります。 横尾さんは86歳ですが、精力的に活動をされていて、今回「横尾忠則 寒山百得」展が、9月12日~12月3日に東京国立博物館表慶館にて開催されます。本展は、横尾さん(1936年兵庫県生まれ)が「寒山拾得」を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの完全新作101点を一挙初公開する、期待の展覧会です。 寒山(かんざん)と拾得(じっとく)とは、中国・唐の時代に生きた伝説上の詩僧のこと。その奇行ぶりから「風狂」ととらえられ、日本、中国では伝統的な画題となってきました。 個人的に横尾さんに近いと思う人物が、江戸時代の天才画家「葛飾北斎」です。代表作に「冨嶽三十六景」や「北斎漫画」が有名ですが、実験好きの彼は、浮世絵と呼ばれる版画から、肉筆浮世絵、晩年には銅版画、ガラス絵も試みたとのことです。 これは、葛飾北斎、晩年の作品、信州小布施・上町祭屋台天井絵の「怒涛図」の一部です。浮世絵(現在のイラスト)から最後は肉筆画へ移行していきます。 何度も画家の名前「号」を変えたことも有名です。号はメインとサブがあって代表的なものが「卍」「画狂老人」です。 葛飾北斎は1849年享年90歳で亡くなったとされています。作品数は3万点に及ぶと言われています。 横尾さんにも北斎を超えてほしいです。美術展楽しみにしています。

モバイル自転車ナビゲーター Velo2

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自転車は私の好きなものの一つです。茅ヶ崎在住時はマウンテンバイク「GIANT」、福岡・東京南六郷在住時はシティーバイクの「Bianchi」と、フラットな土地では自転車は快適です。現在、横浜在住ですが、坂が多いので、電動アシスト自転車Panasonicのスポーツタイプ「Velo-Star」に乗っています。趣味なので買い物かごはNo-Thank you。 Velo 2 ナビゲーションシステム ビーライン(Beeline) VELO_2.0 半年ほど前に購入したものが、【クラウドファンディング | Kibidango(きびだんご)】で予約した自転車ナビ「Beeline Velo 2」です。クラウドファンディングの場合、低価格で自分の欲しいモノが購入できます。待っている時間も楽しい。 自転車は、最も死亡・怪我リスクの高い乗り物です。よく自転車にスマホをフォルダで固定してナビゲーター代わりに使っている人がいますが、非常に危険です。ヘルメットの着用は勿論のこと、専用のナビゲーターの使用を強くお勧めします。 VELO_2.0の使い方は、まず自転車に固定フォルダーをセットします。 どの自転車でも装着可能です。そこに本体をセットします。本体は自転車を駐車しても簡単に取り外せるので、盗難のリスクがありません。 スマホのアプリと連携して使用します。 目的地を入れると矢印で曲がる方向を指示してくれます。意 外な道を指示してくれるので、新しい発見があり楽しいです。当然ですが、ナビする必要がないところでは使う必要はありません。 現在、大都市・湘南や鎌倉のような観光地では「HELLO CYCLING」、「チャリチャリ」などの シェアサイクルが普及し、システムも使いやすくなりました。私もよく利用します。 私は電車で観光地に行き、シェアサイクルで周辺を移動しています(自動車は福岡時代に手放しました)。自動車と異なり、ゼロカーボンで渋滞や駐車場探しのストレスもありません。 そんな時にモバイル自転車ナビゲーターが活躍し ます。レンタルして自転車に取り付けて行きたい観光地までナビゲートしてもらう。SDGs的な新しい旅行のスタイルです。 自転車関連の曲のセットリスト QUEEN 「Bicycle Race」 KRAFTWERK「Tour De France 」 矢野顕子「自電車でおいで」 スピッツ「自転車」

追悼 アートディレクター 信藤三雄 日本のHipgnosis

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  アートディレクターの信藤三雄さんが、 2023年2月10日に胃がんのため亡くなりました。享年75歳でした。彼は松任谷由実、Mr.Children、サザンオールスターズ、SMAP、MISIAのCD/レコードジャケットを多くを手掛けた、音楽業界では有名なアートディレクターです。 私は高校時代から、レコードを聴き始めました。1970年代、レコードの値段は2200円から2500円と高額で、今のように視聴もできず、かつネットもないので音楽に関する情報が極端に少なかった。購入する際に重要決め手のなったのが、ジャケットのデザインでした。 これをジャケ買いと呼びます。 イギリスでは、Pink Floyd,Led Zeppelin等のレコードのジャケットを手掛けた Hipgnosisが有名です。 信藤三雄さん が注目されてたのは1980年後半から1990年代のPIZZICATO FIVEに代表される「渋谷系」のジャケットデザインでした。 ここからは多数ある「 PIZZICATO FIVE」のレコードジャケットを私の好きな順に並べて紹介します。 1.ピチカート・ファイヴ TYO 2.ベリッシマep 3.THE BAND OF 20TH CENTURY : Nippon Columbia Years 1992-2001(BOX)、4.THE BAND OF 20TH CENTURY : Nippon Columbia Years 1992-2001、5.女王陛下のピチカート・ファイヴep、6.カップルズep  レコードジャケットも立派なARTです。改めてご冥福をお祈りします。