投稿

ラベル(Yamanashi)が付いた投稿を表示しています

日本縮小#3 提言編 国立大学復活と大学の学費を半期¥48,000円にする。

イメージ
シリーズ日本縮小 3回目からイノベーションを起こすための具体的な提言をしていきたいと思います。この記事ではイノベーションとはIT技術を活用した新規事業や既存事業の革新の事を言います。 最初の提言は教育についてです。 私が国立山梨大学に入学した1976年の大学の学費は前期¥ 48,000円、後期¥48,000円でした。年に2回の支払いで、親から振り込んでもらった学費を使い込んで、後でアルバイトで補充する友人もいたくらいリーズナブルな金額でした。また当時、学生運動がまだ盛んで、キャンパス内の立て看(意見を書いたベニア板の看板)に ”学費値上げ断固反対、学費を半期¥18,000円に戻せ!” と書いてあった。調べたら去年まで学費は半期¥18,000円でした。 このグラフは、文科省のHPから調べた1975年から2004年までの国立大学の学費の遷移を示します。他の物価の比較のためレコードを月2枚購入した時の年間費用を併記しました。ただしレコードの価格は途中からCDの価格になっています。 1975年の学費は36,000円から520,800円と14倍に高騰しています。一方レコード・CD購入費用は55,200円から71,800円と1.3倍に留まっています。通常の物価上昇率に比較し、学費が高騰した理由は政府が大学の学費(学問・研究)に対する予算を減らしたからです。今の大学生は奨学金という名の借金を背負って社会人にならざるえない現状があります。 更に2004年から大学改革の一環として、国立大学は大学法人に移行して、教員・職員はみなし公務員となりました。その結果、2016年時点で20年前と比較して40歳未満の教員は5000人以上減少しました。主導したのは構造改革の旗振り役、「失われた30年」の主犯の一人竹中平蔵氏です。 学問・研究の国の予算の減額がイノベーションの起きない原因の一つだと思われます。chatGPTが示した大学の学費とイノベーションの相関関係に関する研究論文を注釈に記載しておきます。 提言は直ちに、国立大学を法人から国の機関に復活させて大学の学費を半期¥4,8000円に戻すことです。 グラフは文部科学省「学校基本調査」を元にした学生数の推移です。現在の国立大学生の数は86万人です。現在の学費は文部科学省令で標準額は年間535,800円ですから学費の総額は約4,600億円となりま

追悼 恩師・田中正次先生 Back to Kyoto in 1980

イメージ
2022年8月16日、私の大学・大学院の恩師である田中正次先生がお亡くなりになりました。享年93歳でした。昨年、訃報を知らされましたが、今改めてご冥福をお祈りしたいと思います。 訃報の連絡をきっかけに、コロナ禍で再会が途絶えていた田中先生の研究室(通称:田中研)の同期の友人と交流が復活しました。そんな彼と横浜の野毛で昼飲みし、久しぶりの再会にお互いの近況や家族、chatGPT関連のAIの話題で盛り上がりました。ひとしきりして、彼がある論文と田中先生の追悼文が掲載された工業会の記事のコピーを手渡してくれました。 手渡された手書きの論文のコピーは1980年11月13-15日に京都大学数理解析研究所で開催された第10回「数値計算のアルゴリズムの研究」で田中先生が発表された「5次陽的Runge-Kutta法の特性の比較と最適化」でした。京都に行ったことは覚えていたけど、論文のことはすっかり忘れていたので、非常に嬉しかったです。 Runge-Kutta法とは、常微分方程式の数値解析法として有名な解法で、現在でも工業分野で広く使われています。田中先生はMr.Runge-Kuttaと呼ばれるほどの世界的にも有名な教授でした。当時、私が行っていたRunge-Kutta法のFORTRANプログラムで、ある程度の結果が出たため、学会で発表したと思います。 学会には、田中研のメンバーで車で京都に行きました。学会で発表後、田中先生が手配してくれた旅館で、田中先生、山下先生と学生で宴会をしました。学会は緊張したけど、本当に楽しい思い出です。  田中先生は、男性のみの田中研を気の毒に思ったのか、英和短大(女子の花園)との合ハイを自ら企画して頂いたこともありました。合ハイとは、合同ハイキングの略で、若い男性と女性がハイキング(これも死語)を通して、お互いに交流を深める楽しいイベントの事です。 先生のお陰で本当に知的で、楽しい大学生活を過ごすことができました。この頃の体験が「心の栄養」として、私の財産になっています。又同時代を共に過ごした友人も、私の財産です。Thank you Priceless。 論文は京都大学数理解析研究所のサーバーに今でもアーカイブされています。43年前の私と、田中先生の足跡(Foot Print)はこれからも残ります。 改めて、田中先生と、この論文を紹介してくれた友人にに