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7月 2, 2023の投稿を表示しています

「うたかたの日々」 岡崎京子を再評価する

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 調べ物で、昔の自分のブログをみていたら漫画家の岡崎京子の「うたかたの日々」の記事がありました。思わずこの本が欲しくなりAmazon、メルカリで調べたらメルカリで490円で出品されていたので直ぐに購入しました。 「うたかたの日々」はフランスの作家ボリス・ヴィアンによる1947年の小説の邦題であり、2013年に、ミシェル・ゴンドリー監督が「ムード・インディゴ うたかたの日々」で映画化しています。私のブログのタイトル「遍在の日々」は「うたかたの日々」へのオマージュでもあります。 一方、岡崎京子は女性漫画家で、沢尻エリカ主演の「スケルターヘルター」、二階堂ふみ主演の「リバース・エッジ」で映画化されているのでご存知の方も多いと思います。 彼女は、いわゆる1980-90年のサブカルブームのなか、イラストに近いスタイリッシュな絵と独特なストーリで注目されていましたが、残念ながら1996年に自宅付近を夫と散歩中に、飲酒運転の乗用車にひき逃げされて重症を負ったため、作家活動は現在でも休止状態です。 非常に才能のある漫画家だったので、新たな作品を読むことが出来ないことは残念でなりません。 漫画「うたかたの日々」は本の装丁が非常に丁寧に作られていて、そのクオリティーに驚かされます。本はハードカバーでさらに最近では珍しくケースに入っています。最近の電子書籍にはない、「モノ」としての魅力を感じます。 画は手塚治虫も使った、四角の均等割コマを使ったり、ストーリーとは無関係なイラストがあったりと、今読み直しても非常に映像的でおしゃれな作りが新鮮です。 2015年に初の大規模個展「戦場のガールズ・ライフ」東京・世田谷文学館で開かれましたが、残念ながら見れませんでした。     近年、海外でも日本のマンガ・アニメが評価されています。特にフランスで日本のマンガ・アニメが評価されているのは、フランスの印象派の画家が浮世絵にインスパイアされたように日本とフランスの芸術に対する感性が似ているらかもしれません。奇しくも「うたかたの日々」の舞台はフランスです。2023年個人的に、岡崎京子を再評価します。

楽天モバイルとラマンチャの男「三木谷社長」

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新聞記者は上司から「携帯は必ずNTTドコモを持て」と言われるそうです。それは新聞記者が、過疎地域や離島、山岳地帯に取材に行った時に、一番繋がりやすいのはNTTドコモであることを経験上知っているからです。 携帯事業の本質は、日本全国、津々浦々に携帯の基地局をどれだけ設置しているかの基地局の量と質にあります。「人口カバー率」という指標はトリックがあり、都市部に集中的に基地局を設置すれば上がるため、総務省は「基盤展開率」と言った日本全土を10Kmのメッシュにして基地局の数を指標にしようとしています。NTTドコモの場合、前身が国営企業であったこともあり、国からの補助金を受けて離島、山岳地帯に地道に基地局を設置しています。そのため「基盤展開率」はキャリアの中で一番です。 この携帯の世界に無謀にも参入した会社があります。それが「三木谷社長」率いる楽天モバイルです。図は各キャリアの設備投資額を表すグラフです。2020年度におけるキャリア各社の設備投資額はNTTドコモが5691億円、KDDI(au)は3615億円、ソフトバンクが3569億円、楽天モバイルは3359億円と楽天モバイルが最も低いことがわかります。他の3キャリアは既に既存の基地局を保有しているにも関わらず、5G等の投資を行っています。ゼロから基地局を設置していく楽天モバイルの投資額は他のキャリアを大幅に超えていないといけないのですが、この設備投資額はショボすぎます。 最近、YouTubeでホリエモンがさかんに「楽天モバイル売却説」を流しています。ホリエモンは、ライブドア時代に球団買収を試み、最後三木谷社長が「楽天」球団を買収したため個人的な恨みもあるかもしれませんが、楽天モバイルの売却は現実的な流れだと思います。 挑戦と無謀は明らかに違います。自らを騎士と名のり風車に向かって剣をふる「ドン・キホーテ」ことラマンチャの男が、今の「三木谷社長」かもしれません。 最終的に不利益を被るのは「楽天モバイル」のユーザーです。もしあなたや、ご家族が行方不明になった時に、位置情報を特定できるのは、基地局の多いキャリアに加入している携帯電話(スマホ)です。 従って、個人的には「楽天モバイル」の新規加入はお勧めしません。携帯が繋がりやすくコストが安くなるお勧めの方法はNVMO(仮想移動体通信事業者)で基地局をNTTドコモに指定する事です。N

行きたかった! プラネタリウム・ショー「The Dark Side Of The Moon」

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 今年は、ピンク・フロイドの「The Dark Side Of The Moon」の発売50周年を記念して、音源の再発売やイベントが開催されています。 1973年に発売された「The Dark Side Of The Moon」(邦題:狂気)は私が高校時代によく聴いたプログレッシブロック(略称:プログレ)の傑作アルバムです。売上5000万以上と世界で最も売れたアルバムの一つです。 「狂気」の50周年記念プロジェクトの一環として制作されたプラネタリム・ショー「The Dark Side Of The Moon」ですが、全世界100カ所以上のプラネタリウムで上映されます。この記念すべき作品の日本最速上映が、コニカミノルタプラネタリアTOKYOで開催されます。「The Dark Side Of The Moon」は、アルバムの収録曲全10曲を収録曲順に使用。プラネタリウムドーム音響の特性を生かした5.1chのサラウンドミックスとともに、これまでにない「狂気」の音像世界を楽しめます。 是非行きたくて、コニカミノルタプラネタリアTOKYOの会員登録をした後に、Webからの予約に挑戦しましたがアクセス集中でサーバーに繋がらず予約できませんでした。人気が高かったので追加募集がありましたが、結果は同様でした。 YouTubeのオフィシャル紹介ビデオを見る限り、映像が素晴らしいので是非観たいと思います。ピンク・フロイドの「The Dark Side Of The Moon」に人気は未だ衰えておらず、音楽の評価は時間が証明してくれることを改めて感じました。 次回の上映募集があったら、今度こそ行きたいと思います。

バルカンファイル(Vulkan Files)流出 犯罪国家ロシア#2

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 最近、一般的には報道されていませんが、サイバーセキュリティの関係者で話題になっているニュースがあります。それが「Vulkanファイル」流出事件です。 ロシアのサイバー攻撃については、ウクライナ戦争以前から2016年のアメリカ大統領選挙に介入しトランプを勝利させたことで有名ですが、IPアドレスのルーティング等からの推測であり完全な証拠があったわけではありません。 今回の「Vulkanファイル」流出事件は、スノーデン事件と同様に内部告発型事件です。 スノーデンは、アメリカ国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の請負会社であるコンサルタント会社「ブーズ・アレン・ハミルトン」のシステム分析官として、アメリカ合衆国連邦政府による情報収集活動に関わった人物です。 2013年6月に複数のメディアに対して、NSAによる国際的監視網(PRISM)の実在を告発し、大事件となりました。その後、アメリカで逮捕されそうになった彼は、皮肉にもロシアに亡命します。 今回、ロシアから流出した文書「Vulkanファイル」はロシアのIT企業「NTC Vulkan」の社員からドイツのある記者へと共有されたファイルです。流出の動機について社員は「この会社は悪いことをしている、そしてロシア政府は卑怯で間違っている」さらに「私はウクライナ侵攻について怒っている、あそこでは酷いことが起きている」、「あなたがこの情報を使って閉ざされたドアの裏側で何が怒っているのかを知らしめてくれることを願っている」と語っているそうです。 その後このドイツ人記者はワシントン・ポスト紙などのニュースメディア数社からなるグループへ文書を共有し、その後「Vulkan ファイル」を入手したワシントン・ポスト紙は、各情報機関、サイバーセキュリティ専門家に裏取りをした後に、記事として公開しました。 文書には、ウクライナで報告された停電や韓国におけるオリンピックの妨害といった大規模なセキュリティ事件や、悪名高きマルウェア「NotPetya」の作成に関与したさまざまなロシアのハッキングツールについて書かれています。  また、NTC Vulkan と、「FSB(ロシア連邦保安庁)」「GRU(ロシア軍参謀本部情報総局)」「SRV(ロシア対外情報庁)」といったロシアの情報機関や軍事機関との関係を結びつける情報も示されています。リー

日本のラップ、HIP POPの起源はどの曲か?

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 日曜日の夜、テレビ朝日で放送している「関ジャム」こと「関ジャム 完全燃SHOW 」はミュージシャンもよく観ているマニアックな音楽番組で、毎週楽しみに観ています。 聴いてみたい曲は、その場でAmazon Music Unlimitedで検索して、ダウンロードできるので便利な時代に感謝です。今回のテーマは「プロが発掘!!昭和・平成の名曲&迷曲特集」!!で、菊池桃子のロックバンド「ラ・ムー」、日本版アースウインド&ファイヤーの「スペクトラム」とか懐かしい、当時キワモノ扱いされていたけど音楽的には優れていた名曲・迷曲が紹介されて、いい企画でした。 なかでも、ザ・ドリフターズ「ドリフの早口ことば」は元祖日本の「ラップ、HIP POP」だったという説には目からウロコで、さすが音楽評論家だと感心しました。アメリカでラップが誕生したのが1979年と言われているので、1980年のドリフの楽曲は確かに元祖ラップっだったかもしれません。 私の感覚では、1981年の「スネークマンショー」-「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」が元祖ラップではないかと思っていました。 「スネークマンショー」は桑原茂一と小林克也、伊武雅刀が参加したラジオ番組のユニットです。1980年、YMOの「増殖」でコラボして有名になり、1981年にアルバムをリリースしました。その時の曲が「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」です。イントロから語りのラップがカッコよくてよくできた曲だと思います。「スネークマンショー」はお笑いのイロモノ的な扱いをされていますが、「ラップ、HIP POP」やニューウェイブと時代の先頭を走っていたユニットで、色々なミュージシャンに影響を与えました。 その後、吉幾三のヒット曲「俺ら東京さ行ぐだ」といった、イロモノ扱いされていた「ラップ、HIP POP」を音楽として商業的に成功させたのは、1984年発売の佐野元春の「VISITORS」だったと思います。 冒頭の曲「COMPLICATION SHAKEDOWN」はファンクなノリが、ニューヨークで実際に生活していた佐野元春の体が感じていたビートがリアルに表現されている、イロモノではない日本のラップ元年として記念すべき1曲です。アルバム・タイトルである「VISITORS」の歌詞も良いし、今聞いても新鮮で名曲です。 個人的には、渋谷系のピチカー

マイナカードに物申す#2 どうする富士通 

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マイナカードに物申す#2です。今回はこのシステムを請け負っている富士通についての記事です。 富士通は6月29日、マイナカードを使った証明書交付サービスについて、システムを再停止して点検し直すと発表しました。福岡県宗像市で起きた別人の住民票が交付されるなどのトラブルが再び見つかったためです。全国123自治体で再びサービスが使えなくなり、再開の時期は未定ということです。 6月30日に追い打ちをかけるように総務省は、富士通のサイバー攻撃への対策に不備があったとして同社とその子会社を行政指導したと発表しました。 同社の法人向けのインターネット回線サービスがサイバー攻撃を受け、約1700の企業や政府機関の情報が流出した可能性があるとのことです。サイバー攻撃によって情報を漏洩(ろうえい)された企業が、総務省から指導を受けるのは初めてとの事です。 2021年8月に「みずほ銀行」大規模障害が発生しました。障害の原因の各業務システムを統合するプラットホームを担当したのも富士通でした。 みずほ銀行の前身である第一勧業、富士、日本興業の旧3行が利用していた富士通、日本IBM、日立製作所のシステムです。通常のシステム統合は1社に統一するのですが、政治的な思惑で3社のシステムを活かしながら業務毎にシステムが接続されています。 そのため、みずほ銀行システムは「IT業界のサグラダファミリア」と揶揄されるように開発期間19年、開発費4000億以上かかった複雑なシステムで、「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」という本にもなっていますので、興味のある方は一読をお勧めします。 私は富士通の関係者ではないのですが、ソフトのシステム設計に関わる立場から、原因を考察してみたいと思います。富士通の内情は「5年いた富士通を退職した理由」というブログ記事を参考にしました。日本のIT業界の構造的な問題に対する私の考察です。 (考察開始) 日本の大規模システムは、富士通をはじめとする大手のIT企業が受注します。建設大手ゼネコンと同様に業務は下請けに委託し、下請けは更にその下請けに再委託していきます。 開発元は、仕様書まで下請けに丸投げするため、システム設計、コーディングすら出来ない社員がいると予想されます。彼らの仕事は下請けの選定と進捗管理のみで、実際にシステムの障害が発生してもその内容を把握できません。更に再委