「うたかたの日々」 岡崎京子を再評価する
調べ物で、昔の自分のブログをみていたら漫画家の岡崎京子の「うたかたの日々」の記事がありました。思わずこの本が欲しくなりAmazon、メルカリで調べたらメルカリで490円で出品されていたので直ぐに購入しました。
「うたかたの日々」はフランスの作家ボリス・ヴィアンによる1947年の小説の邦題であり、2013年に、ミシェル・ゴンドリー監督が「ムード・インディゴ うたかたの日々」で映画化しています。私のブログのタイトル「遍在の日々」は「うたかたの日々」へのオマージュでもあります。一方、岡崎京子は女性漫画家で、沢尻エリカ主演の「スケルターヘルター」、二階堂ふみ主演の「リバース・エッジ」で映画化されているのでご存知の方も多いと思います。
彼女は、いわゆる1980-90年のサブカルブームのなか、イラストに近いスタイリッシュな絵と独特なストーリで注目されていましたが、残念ながら1996年に自宅付近を夫と散歩中に、飲酒運転の乗用車にひき逃げされて重症を負ったため、作家活動は現在でも休止状態です。非常に才能のある漫画家だったので、新たな作品を読むことが出来ないことは残念でなりません。
漫画「うたかたの日々」は本の装丁が非常に丁寧に作られていて、そのクオリティーに驚かされます。本はハードカバーでさらに最近では珍しくケースに入っています。最近の電子書籍にはない、「モノ」としての魅力を感じます。画は手塚治虫も使った、四角の均等割コマを使ったり、ストーリーとは無関係なイラストがあったりと、今読み直しても非常に映像的でおしゃれな作りが新鮮です。
近年、海外でも日本のマンガ・アニメが評価されています。特にフランスで日本のマンガ・アニメが評価されているのは、フランスの印象派の画家が浮世絵にインスパイアされたように日本とフランスの芸術に対する感性が似ているらかもしれません。奇しくも「うたかたの日々」の舞台はフランスです。2023年個人的に、岡崎京子を再評価します。
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