シブヤ大学 「今、台湾でなにが起きているのか?」
シブヤ大学は、NPO団体が運営する生涯学習を提供するプロジェクトです。以前、福岡在住の頃に姉妹校であるテンジン大学の授業に参加していた関係で、関東に戻ってからはシブヤ大学の授業に参加しています。月に数回の授業があり、興味のある授業に参加しています。授業は基本的に無料で、普段は接することのない領域の講師の話を聴くことができ、有益な体験ができます。
今回のテーマは「今、台湾でなにが起きているのか?」で、講師は台湾在住のノンフィクションライターの近藤 弥生子さんです。彼女の主な著書は「 オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと(ブックマン社)」「 オードリー・タン 母の手記「成長戦争」 自分、そして世界との和解(KADOKAWA)」であり、 オードリー・タンに関心のある私は、是非話を聴いてみたいと思い授業に参加しました。
オードリー・タンは台湾のデジタル大臣であり、天才プログラマーでもあります、コロナ対策のリーダーとして様々なアプリケーションを短期間で立ち上げ、デジタル・ガバメントのリーダーとして一躍有名になりました。
授業は「台湾 ✕ デジタル」と題して、現在台湾で行われているシビックマインド/デジタル民主主義とオープンガバメント/ソーシャルイノベーションについて分かりやすく解説してくれました。又「台湾 ✕ ジェンダー」ではジェンダーへの台湾の取り組みを賃金格差・議員男女比率・同性婚などを法制度の面から説明してくれました。そして、最後は台湾が、最近力をいれている「台湾 ✕ デザイン」というデザインの行政と台湾文創(歴史・文化・創造性を結びつけた産業)について解説がありました。
台湾の昔のイメージは小籠包の美味しい親日派が多いの観光地でしたが、最近はTSMCをはじめとする半導体産業主体のデジタル戦略と、台湾有事と言われる中国からの侵攻の懸念から、台湾のイメージがだいぶ変わって来ています。
今回の授業を受けて、改めて日本に比べデジタル化、民主化、若者の政治参加が進んでるることに驚きました。台湾は国家として認められていません、そのため欧州のGDP以外のグローバルな指標を意識して、デジタル化、民主化を進めて行っています。
一方、日本はマイナカードの普及もままならないデジタル後進国ですし、夫婦別姓すら認めない保守的な国であり、ジャニーズ問題に代表される忖度のまかり通る、自国が思っているより非民主的な国でもあります。
台湾の最新事情がわかる有益な授業でしたが、改めて、アジアの中でクローズな後進国になりつつある日本が心配になる授業でもありました。
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