分筆家としての小泉今日子 「小泉今日子 書評集」
私は、昔からの小泉今日子のファンです。「なんてったってアイドル」(作詞:秋元康、作曲:筒美京平)では自らがアイドルをパロディー化する曲を歌いこなせるのは、彼女の立ち位置が客観的に理解できているからでしょう。 アイドルから歌手や女優への活躍の場を広げる彼女ですが、読書好きで文章もとても上手く、エッセイも出版されています。 読書好きの彼女が、読売新聞の読書委員として2005年から2014年までの10年間、読売新聞の日曜日の書評欄を担当していたことはあまり知られていないかもしれません。私は福岡に住んでいた頃、一時、読売新聞を購読していたことがあり、彼女の書評は楽しみにしていました。 新聞の書評は、色々な面白そうな本を探す時の指標になります。今は、土曜日だけ購入する日経新聞の書評を読んで興味のある本を横浜市図書館のWebで検索し予約したり、あまりに予約数が多い場合はAmazonやメルカリで購入するかしています。 彼女が書評を担当したきっかけは、読売新聞からの依頼を彼女の恩師である、今は亡き作家であり演出家の久世光彦さんからの仲介で実現したようです。引き受ける時はそうとう迷ったようですが、非常に評判が良くて10年間連載が続くことになります。その10年間の書評をまとめた本が「小泉今日子 書評集」です。たまたま彼女の書評のことを思い出して、横浜市図書館のWebで検索して予約して借りました。 読み直してみると、落語のマクラのように、文章のイントロ部分から書評にの入り方だったり、締めの部分の見事なまとめ方や表現がとても上手く、改めていい文章を書くなと感心します。書評を読んで読みたくなる本が又見みつかりました。 分筆家としての小泉今日子、侮れません。