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映画「岸辺露伴ルーブルへ行く」 日本とフランスとアート

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休日に色々な予定があり、 観たくてもなかなか行けなかった、映画「岸辺露伴ルーブルへ行く」を観ました。 NHKが人気シリーズ 「岸辺露伴は動かない」 を映画化した作品が 「岸辺露伴ルーブルへ行く」です。70歳までにルーブル美術館に実際に行きたいと思っていたので気になっていた映画です。 岸辺露伴シリーズは、荒木飛呂彦による「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画のスピンオフであり、その映像作品がNHKの高橋一生主演「岸辺露伴は動かない」です。私は、原作の漫画は読んだことはありませんが、ドラマ「岸辺露伴は動かない」は毎回観ていました。ストーリーの面白さに加えて、特殊能力「ヘブンズ・ドアー」の人間の記憶の映像化が斬新で、独特の世界観に惹かれます。 シーズン2の「背中の正面」「六壁坂」は市川猿之助が出演しているためにオンデマンドではもう観ることはできません。 ルーブル美術館は、BD(バンド・デシネ)プロジェクトと呼ばれるアニメ・漫画の紹介にも力をいれており、このプロジェクト5弾目として荒木飛呂彦が漫画「岸辺露伴ルーブルへ行く」を作成しました。そのため、日本とフランスの繋がりを意識した作品になっています。 「黒」は全ての光を吸収するため見えないことにより、見える特別な色です。この「黒」を描くために使用した特別な顔料で描かれた、この世で「最も邪悪な黒い絵」を巡るストーリーは、実際にルーブル美術館でロケが行われており、絵画好きにはとても興味深いミステリー映画です。この絵画は250年前に日本で描かれ、最後はルーブル美術館に保管されていました。 前回のブログでも書いたように、日本の浮世絵はフランスの印象派に影響を与え、現在の日本の漫画・アニメはフランスでもアートとして高い評価を受けています。日本とフランスの美意識はどこか通ずるものがあるのかもしれません。 やはり、フランスには惹かれます。

「うたかたの日々」 岡崎京子を再評価する

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 調べ物で、昔の自分のブログをみていたら漫画家の岡崎京子の「うたかたの日々」の記事がありました。思わずこの本が欲しくなりAmazon、メルカリで調べたらメルカリで490円で出品されていたので直ぐに購入しました。 「うたかたの日々」はフランスの作家ボリス・ヴィアンによる1947年の小説の邦題であり、2013年に、ミシェル・ゴンドリー監督が「ムード・インディゴ うたかたの日々」で映画化しています。私のブログのタイトル「遍在の日々」は「うたかたの日々」へのオマージュでもあります。 一方、岡崎京子は女性漫画家で、沢尻エリカ主演の「スケルターヘルター」、二階堂ふみ主演の「リバース・エッジ」で映画化されているのでご存知の方も多いと思います。 彼女は、いわゆる1980-90年のサブカルブームのなか、イラストに近いスタイリッシュな絵と独特なストーリで注目されていましたが、残念ながら1996年に自宅付近を夫と散歩中に、飲酒運転の乗用車にひき逃げされて重症を負ったため、作家活動は現在でも休止状態です。 非常に才能のある漫画家だったので、新たな作品を読むことが出来ないことは残念でなりません。 漫画「うたかたの日々」は本の装丁が非常に丁寧に作られていて、そのクオリティーに驚かされます。本はハードカバーでさらに最近では珍しくケースに入っています。最近の電子書籍にはない、「モノ」としての魅力を感じます。 画は手塚治虫も使った、四角の均等割コマを使ったり、ストーリーとは無関係なイラストがあったりと、今読み直しても非常に映像的でおしゃれな作りが新鮮です。 2015年に初の大規模個展「戦場のガールズ・ライフ」東京・世田谷文学館で開かれましたが、残念ながら見れませんでした。     近年、海外でも日本のマンガ・アニメが評価されています。特にフランスで日本のマンガ・アニメが評価されているのは、フランスの印象派の画家が浮世絵にインスパイアされたように日本とフランスの芸術に対する感性が似ているらかもしれません。奇しくも「うたかたの日々」の舞台はフランスです。2023年個人的に、岡崎京子を再評価します。