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7月 30, 2023の投稿を表示しています

デイヴィッド・ホックニー展 創作は続く

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猛暑のなか東京都現代美術館(MOT)で開催中の「デイヴィッド・ホックニー展」に行きました。 デイヴィッド・ホックニーは1980年代、ニューペインティングブームの頃の「プール」の絵画で有名になり、雑誌「ブルータス」で特集されたり、原宿辺りのおしゃれなカフェバー(今は死語)に絵が飾られたりしたのを思い出します。横尾忠則もニューペインティングに影響を受けてイラストレーターから「画家」に転向します。 最寄り駅が「清澄白河駅」にある東京都現代美術館(MOT)は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)と同様に、現在アートを中心とした展示会を行っている、私の好きな美術館の一つです。過去に大規模な「横尾忠則展」やパヒュームの演出でおなじみの「真鍋大度」の個展などが開催されています。 現代で最も革新的な画家のひとりデイヴィッド・ホックニーの日本では27年ぶりとなる大規模な個展で127点もの作品が展示されています。現在、86歳を迎える彼ですが、現在はフランスのノルマンディーで精力的に作品を作り続けています。 展示会では作品は年代ごとではなく分野ごとに展示され、古い作品と今の作品が見比べられるように工夫されていたり、高い天井を利用した意表を突く展示のレイアウトがあったりと、キュレーターである東京都現代美術館の学芸員がいい仕事をしています。 デビッド・ホックニーは画家本来の創作活動をするとともに、過去の絵画の研究にも熱心で2010年に、科学的、視覚的な根拠により過去の画家はレンズを組み合わせたカメラの原型のような装置を使い密かに精密な画を描いていたという衝撃的な本「秘密の知識」を出版します。当時美術史の常識を変えたことでも有名です。 展示会の終盤にあたる1階に展示されている最近の作品群は特に圧巻です。2019年から彼はノルマンディーで創作活動を開始し、コロナ禍のなかiPod、インクジェットプリンター等の最新のテクノロジーを使い、日本の絵巻物に影響を受けた全長90メートルの大作「ノルマンディの12か月」を作成します。この階は写真撮影が許可されていますので、行かれた方は自分の好きなアングルでこの巨大作品を写真に収めることをお勧めします。 デイヴィッド・ホックニー、横尾忠則は80歳代で、草間彌生に至っては90歳代で創作活動を続けています。何か新しいモノを創作することは、多大な労力を要しますがその対価

Keep On Rock'In くるり 人見記念公会堂ライブ

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 現在、くるりは「愛の太陽EP」発売記念ホールツアー2023を、全国のホールで行っています。昭和女子大「人見記念講堂」でのライブを見に行きましたので、記事にします。ツアーは8月3日で終了したため、曲目や公演の様子を記事にします。(写真は公式旧Twitterより引用) くるりは、京都出身の岸田繁(ボーカル/ギター)と佐藤征史(ベース)を中心に1996年に結成された、ロックバンドです。メンバーは彼ら以外はかなり入れ替わっていますが、今回はサポートメンバーを入れた5人構成のバンドでした。くるりは私の好きなバンドの一つでヒット曲も多数あり、CM・ドラマのタイアップ、矢野顕子、ユーミンとの共演など多彩な活躍をしています。特に京都人らしいはんなりとした岸田くんの音楽愛と鉄道愛にあふれるキャラが好きです。 一方でライブ会場となった昭和女子大「人見記念講堂」は三軒茶屋の駅の近くにあるにもかかわらず、閑静なキャンパスの中にある、キャパ2000人のこじんまりとした音楽ホールです。「題名のない音楽会」の収録ホールとしても有名で、元々はクラッシクを中心としたホールでしたが、今では音響の良いことから多くのロック/ポップス系のミュージシャンのライブに利用されています。私も「人見記念講堂」は今回で3回目ですが、音が良くて好きなホールです。 ライブは、派手な演出も舞台装置もなくシンプルに音楽を楽しむスタイルで、「愛の太陽EP」を中心に新旧の曲を適度に取り混ぜた選曲でくるりの中期をあまり知らない私でも十分に楽しめました。実験好きの岸田くんは、テクノ・ヒップポップ・エレクトロニカ・ハウス・アンビエント・パンクさらにクラシックといった色々な要素の曲を試みるためオルタナティブ・ロックにカテゴライズされることも多いのですが、伸びやかで骨太でゆったりとしたサウンドから生み出されるグルーブは、むしろ昔のオールマン・ブラザーズ・バンドのようなサザンロックが根っこにある気がします。 個人的には、鉄道好きの岸田くんらしいクラフトワークの「ヨーロッパ急行」のオマージュソング、かつ私の利用電車でもある京急のテーマソング「赤い電車」が聴けたのがラッキーでした。 新曲の「In Your Life」も名曲「ばらの花」も盛り上がりましたが、やはり一番好きな曲「ロックンロール」が聴けて良かった。このバンドのルーツとも言える曲ではな

GenAI(生成AI) Googleの反撃なるか

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 業務でGoogle Workspace企業版を利用している関係で、Google Cloudイベント「Duet AI for Google Workspace」に参加しましたので記事にしたいと思います。残念ながら渋谷のGoogleビルでのリアル参加は抽選で外れたため、オンラインでの参加でした。 「Google Workspace」とはMicrosoftの「Office365」の対抗サービスという説明が分かりやすいかと思います。Googleはどちらかと言えば、「検索」で広告料収入を得ていましたが、「Google Workspace」は企業向けサービスとしてMicrosoftと同様なビジネスモデルを構築する狙いがあります。なぜなら不安定な広告収入より企業からのライセンス収入のほうが収入を予測できるため、ビジネスとして安定するからです。 この図は総務省のAIを説明する一般的な概念図です。AIという言葉は抽象的なため誤解が多いのですが、現在GenAI(生成AI)を始めとするAIの革新的な進歩は、深層学習(Deep Learning)と呼ばれる分野で起こっています。深層学習はアルゴリズムと巨大なデータ、そしてこれらを処理する高速の計算能力を持つコンピュータから構成されるます。アルゴリズムのベースはニューラルネットワークと言われる人間の脳をモデルとした学習アルゴリズムです。 Googleは、深層学習の分野で常にトップランナーでした。2012年、深層学習の中のCNN(Convolutional Neural Network)アルゴリズムAlexNetで画像認識大会で優勝し、その後、DeepMind社を買収し2016年アルファ碁でプロの棋士に勝利します。 2017年に現在のGenAIの基礎となるアルゴリズムがGoogle/トロント大学から発表されます。それが「Transformer」と呼ばれる自然言語処理に最適なニューラルネットワークのアルゴリズムです。2019年このアルゴリズムを応用するスタートアップ企業OpenAIにMicrosoftが資本提携します。そして2022年の夏には画像生成AIがリリース、11/30にchatGPTがリリースされ、現在のGenAIのムーブメントが始まります。深層学習はもの凄いスピードで進化しています。 「Transformer」をどう使うか考えたいたG

泡の勧め 夏はスパークリングワイン

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 今年の夏は異常な暑さですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。幸い横浜は海に近いため、風が通り比較的涼しのですが関東平野の内陸部は大変そうです。原因は偏西風の蛇行と言われていますが地球温暖化が確実に進んでいることは確かでしょう。 こんな暑い日は、ビール等の冷えた「泡」が一番美味しい。夏の食事に食中酒は、最初はビール、次に冷えたスパークリングワインがお勧めです。スパークリングワインといえば、フランスのシャンパーニュ地方特産のシャンパンが有名ですが、それなりの値段なので、普段の家の食事に毎回シャンパンという訳にはいきません。 同じ製法で産地が異なるものとしては、スペインのカバ(Cava)があります。リーズナブルな価格で美味しくて、魚にも肉にも合います。またイタリアのスプマンテ (Spumante)も美味しいです。 スパークリングワインの瓶は意外と重いので、最近は、Amazonのスパークリングワイン セットをまとめ買いします。特にセール時に購入すると1本1000円以下で購入でき、玄関先まで届けてくれるので楽です。まとめ買いはどれを冷蔵庫で冷やそうかと選ぶ楽しみもあります。飲む時にワインアプリVininoで評価を観るのも、くじ引きのように当たり外れがあり、これも一興です。 気になるのは飲み残しですが、気が抜けないようにスパークリングワイン専用のストッパーも売られていますから、色々試すのも楽しいのではないでしょうか。 一方、日本の食事に最も合う食中酒は、お米と日本の水からできている日本酒と言われています。 たまには獺祭 純米大吟醸 スパークリングは辛口で切れがあり、とても食事にあいます。 スパークリングワインもですが、日本酒のスパークリングも探せば色々ありそうです。「泡」は意外と奥深い。

分筆家としての小泉今日子 「小泉今日子 書評集」

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 私は、昔からの小泉今日子のファンです。「なんてったってアイドル」(作詞:秋元康、作曲:筒美京平)では自らがアイドルをパロディー化する曲を歌いこなせるのは、彼女の立ち位置が客観的に理解できているからでしょう。 アイドルから歌手や女優への活躍の場を広げる彼女ですが、読書好きで文章もとても上手く、エッセイも出版されています。 読書好きの彼女が、読売新聞の読書委員として2005年から2014年までの10年間、読売新聞の日曜日の書評欄を担当していたことはあまり知られていないかもしれません。私は福岡に住んでいた頃、一時、読売新聞を購読していたことがあり、彼女の書評は楽しみにしていました。 新聞の書評は、色々な面白そうな本を探す時の指標になります。今は、土曜日だけ購入する日経新聞の書評を読んで興味のある本を横浜市図書館のWebで検索し予約したり、あまりに予約数が多い場合はAmazonやメルカリで購入するかしています。 彼女が書評を担当したきっかけは、読売新聞からの依頼を彼女の恩師である、今は亡き作家であり演出家の久世光彦さんからの仲介で実現したようです。引き受ける時はそうとう迷ったようですが、非常に評判が良くて10年間連載が続くことになります。その10年間の書評をまとめた本が「小泉今日子 書評集」です。たまたま彼女の書評のことを思い出して、横浜市図書館のWebで検索して予約して借りました。 読み直してみると、落語のマクラのように、文章のイントロ部分から書評にの入り方だったり、締めの部分の見事なまとめ方や表現がとても上手く、改めていい文章を書くなと感心します。書評を読んで読みたくなる本が又見みつかりました。 分筆家としての小泉今日子、侮れません。