GenAI(生成AI) Googleの反撃なるか

 業務でGoogle Workspace企業版を利用している関係で、Google Cloudイベント「Duet AI for Google Workspace」に参加しましたので記事にしたいと思います。残念ながら渋谷のGoogleビルでのリアル参加は抽選で外れたため、オンラインでの参加でした。

「Google Workspace」とはMicrosoftの「Office365」の対抗サービスという説明が分かりやすいかと思います。Googleはどちらかと言えば、「検索」で広告料収入を得ていましたが、「Google Workspace」は企業向けサービスとしてMicrosoftと同様なビジネスモデルを構築する狙いがあります。なぜなら不安定な広告収入より企業からのライセンス収入のほうが収入を予測できるため、ビジネスとして安定するからです。

この図は総務省のAIを説明する一般的な概念図です。AIという言葉は抽象的なため誤解が多いのですが、現在GenAI(生成AI)を始めとするAIの革新的な進歩は、深層学習(Deep Learning)と呼ばれる分野で起こっています。深層学習はアルゴリズムと巨大なデータ、そしてこれらを処理する高速の計算能力を持つコンピュータから構成されるます。アルゴリズムのベースはニューラルネットワークと言われる人間の脳をモデルとした学習アルゴリズムです。

Googleは、深層学習の分野で常にトップランナーでした。2012年、深層学習の中のCNN(Convolutional Neural Network)アルゴリズムAlexNetで画像認識大会で優勝し、その後、DeepMind社を買収し2016年アルファ碁でプロの棋士に勝利します。

2017年に現在のGenAIの基礎となるアルゴリズムがGoogle/トロント大学から発表されます。それが「Transformer」と呼ばれる自然言語処理に最適なニューラルネットワークのアルゴリズムです。2019年このアルゴリズムを応用するスタートアップ企業OpenAIにMicrosoftが資本提携します。そして2022年の夏には画像生成AIがリリース、11/30にchatGPTがリリースされ、現在のGenAIのムーブメントが始まります。深層学習はもの凄いスピードで進化しています。

「Transformer」をどう使うか考えたいたGoogleに対してMicrosoftは企業向けOffice365にビルドインすることを最初から考えていました。2022年からGenAIの主導権はGoogleからMicrosoftへ移ります。2023年MicrosoftはOffice365にGenAIをビルドインした飛行機の副操縦士を意味する「Copilot」を発表します。

これに対抗するGoogleのサービスが、今年中に正式リリースされる予定の「Duet AI for GoogleWorkspace」です。説明を聴く限り、便利な機能はWeb会議サービス「GoogleMeet」で議事録作ってくれるぐらいで、「Copilot」に比べたら見劣りしますが、料金は「GoogleWorkspace」に含まれると言われています。

今までお互いにビジネスゾーンのなんとなく棲み分けをしていたGoogleとMicrosoftですが、GenAIで直接対決となりそうです。「邪悪になるな(Don't be evil)」をスローガンにMicrosoftを仮想敵として起業したGoogleのこれからの攻勢を期待します。

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