モバイルの歴史 絵具チューブとウォークマンそしてiPhone
最近、携帯電話やスマートフォンをモバイル端末、略してモバイルと呼称するようになりました。モバイルは英語でmobile(発音は「モボ」に近い)で、ラテン語のmobilis(動かせる)から派生しています。つまりmoveo(動かす)+-bilis(~できる)が語源で、「動かせること」を意味します。
1928年、ヨーロッパの絵画の世界でイノベーションが起きます。金属製絵具チューブの発明です。
従来、絵画は絵具が乾いてしまうために、アトリエで作成されていました。絵具チューブの発明により、絵画を戸外でも制作出来るようになります。
画家たちにとっては、戸外で絵を描くことは新たな驚きと発見があり、アトリエにはなかった自然光の元で風景が描けるようになります。絵具チューブの発明が印象派の誕生につながる一つの要因とされています。モバイルが絵画に影響を与えることなりました。
2001年、私が社会人の頃にAppleから、画期的なハードディスクのモバイル音楽プレイヤー「iPod」が発売されます。
私は第3世代iPodの10GBを購入しました。価格は初代「ウォークマン」とほぼ同様の3万6800円でした。私が持っている全ての曲がデジタル化され、iPodに入り、いつでも好きな曲を聴くことができるのは、本当に感動的でした。その後、iPodは進化を遂げて、ハードディスクからフラッシュメモリーに変化し、更に薄く軽くなりました。
2007年、最も重要な変化が起こります。日本ではガラパゴス携帯電話が最盛期の時代にAppleのiPhoneが誕生します。インターネットに繋がることにより音楽はクラウドまで拡張されました。iPhoneは携帯電話の進化系ではなく、iPod(モバイル音楽プレイヤー)の進化系であり、Mac(コンピューター)の進化系です。さらにこの時点で、AppleはiTunes、AppStore,iCloudと呼ばれるインターネットのプラットフォームを構築していました。
日本がなぜiPhoneを作れなかったかについての議論がありますが、それは携帯電話というモバイル端末だけではなく、グローバルなプラットフォームまで構想が出来なかったことにあると思います。
iPhoneというモバイル端末すなわちコンピューターが街に持ち出され、世界の人々の生活は劇的に変化しました。モバイルと街の歴史は続きます。
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