どうする家康に物申す 本能寺の変

今回の記事は、「どうする家康」での「本能寺の変」に関して物申します。 

小学生の頃に、歴史の授業で「本能寺の変」を習いました。子供心にも非常に不可解な事件で、先生に明智光秀がなぜ今で言うクーデターを起こした理由を訊いたことがありました。

先生曰く「明智光秀が織田信長にいじめられたので、その仕返しをしたから」というものでした。今では、おそらくいじめはよくないという結論ありきの回答だったのではと思いますが、以来私の中で「本能寺の変」は歴史の最大の事件であり最大の謎です。

「本能寺の変」には「本能寺の変」が起こる前の晩、香炉のカエルが鳴き始めて異変を知らせたという伝説「三足の蛙(みつあしのかえる)」だったり、宣教師のアフリカ人の奴隷で後に信長の家臣となった「弥助」や、信長の寵愛を受けていたとされる美少年「蘭丸」など色々なエピソードがあります。

又なぜ明智光秀が織田信長を討ったのかは諸説あり、色々な研究もされています。単独説では明智光秀ノイローゼ説、怨恨説、黒幕説では朝庭黒幕説、イエズス会黒幕説等があり、小説や大河を始め、各ドラマ、映画で描かれています。

もし、織田信長が殺されずに天下を統一していたら、その後、朝庭を安土桃山城の本丸御殿「御幸の間」に幽閉し、東南アジアに進出して、日本はグローバル国家を形成していたかもしれません。それほど「本能寺の変」は日本史上のターニングポイントの一つとなる重要な出来事だと思います。

一方、今回の「どうする家康」での「本能寺の変」の描き方はドラマ史上最低の出来でした。まず脚本家の古沢良太氏が徳川家康(松本潤)と織田信長(岡田准一)のジャニーズ忖度とも思えるほど二人の関係を掘り下げるあまり、明智光秀(酒向芳)の描き方がゲス過ぎてドラマに入っていけません。役者酒向芳は、TBSドラマ「最愛」など、これまでも癖のあるバイプレイヤーで良い仕事をしています。今回の明智光秀役は葛藤も野心も感じられずに嫉妬深い陰険なイヤなヤツで、まるで漫画のようなキャラ設定のため、演じている本人も気の毒でなりません。

明智光秀が織田信長を殺した理由も分からず、唐突にお市の方が堺に現れたり、家康が織田信長殺害を本能寺近くで実際に計画していたりと、もはやファンタジーを通り越した出来の悪いギャグにしかみえません。

ドラマ・映画等のエンタメは制約(この場合は史実)の中でいかにありそうな嘘を構築するかが、脚本家の手腕だと思いますが、このドラマ正直面白くありません。

ドラマですから、史実を重視せよとは言いませんが築山事件もしかり、「どうする家康」で一番欠けているモノは「歴史」に対するリスペクトではないでしょうか。これからも「どうする家康」は、気になる歴史イベントのみを観ることにします。

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