ブライアン・イーノ旧作をリビルド Dolby Atmosへの挑戦 

最近、音楽や映画で話題になっている、ドルビーアトモス( Dolby Atmos)は、ドルビー研究所の開発した音をより立体的に再生することができる新しいサラウンド再生規格です。

従来はチャンネル毎に割り付けられたトラックに音声データを用意するのではなく、音の固まり毎に音声データと位置情報を用意して、音の再生時に 、リアルタイムに演算をして音の位置からの再生を行うため、音の左右上下の音場が再現できる優れた規格です。

装置のCPU、DSPの演算速度が早くなったため映画館だけでなく、最近ではホームシアター用スピーカーや、スマートフォンのイアホンでも再生可能になりました。

最近、私の所有しているSONOSのスピーカーにサブウーファーを追加購入して、映画をサラウンドで観ています。SONOSはドルビーアトモス対応のため、アトモス対応の映画はより立体的なサラウンドを楽しむことができます。

2023年7月、私の好きなミュージシャン、ブライアン・イーノが旧作を含む以下の7作品をドルビーアトモスでAmazon Music Apple等で配信を開始しました。

  • 「Taking Tiger Mountain」(1974年)
  • 「Another Green World」(1975年)
  • 「Small Craft On A Milk Sea」(2010年)
  • 「Drums Between The Bells」(2011年)
  • 「LUX」(2012年)
  • 「Reflection」(2016年)
  • 「The Ship」(2016年)
今年、75歳になるブライアン・イーノですが、積極的に最新のテクノロジーを取り入れて自ら新しい領域に入っていく好奇心とチャレンジ精神は尊敬に値します。彼はドルビーアトモスについて以下のように語っています。

「3D音楽が興味深いのは、(ステレオ・リスニングなどによってもたらされる)2次元の空間よりもはるかに多くのディテールを維持した没入空間を作り得る可能性があることです。私たちの耳は目ほど指向性がありませんが、それでも空間内の音の位置を特定する能力があり、3次元で聴くことで、まったく新しい作曲の可能性が生まれ、またそれによってリスナーに、より複雑な方法で音楽空間を“探検”する経験を可能にします。それこそが、2次元のサウンド・ペインティング(2D絵画)から3次元のサウンド・スカルプチャー(3D彫刻)へのステップなのです」

旧2作は、学生時代によく聴いたアルバムであり特に「Another Green World」は、個人的なベストアルバムの一つとなる傑作です。早速Amazon Musicから旧2作をダウンロードしてリビングでドルビーアトモスで聴いてみました。各楽器の音の輪郭と位置がくっきりとわかり、音楽に包み込まれる感覚は従来のステレオには無い音楽体験ができました。改めて、半世紀前の楽曲の素晴らしさと、更に新しいテクノロジーによりリビルドされた新たな作品の素晴らしさに感動しました。

ブライアン・イーノは2023年ヨーロッパを巡る初のソロ・コンサートも予定されていて、老いても精力的に活動しています。同年代を生きてきた一人として、これからも彼の作品に期待します。

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