プーチンの首に鈴を付ける インターネット探偵 Bellingcat

皆さんは「OSINT(オシント)」という言葉をご存知でしょうか?「OSINT(Open-Source Intelligence)」は「オープン・ソース・インテリジェンス」の略称で、誰でも入手可能なインターネット上に公開されている様々なオープンな情報を利用して、ネットニュース、Twitter、FacebookなどのSNSやYouTubeなどの動画、衛星画像、オンラインデータベースなどを調べ上げ、現場に行かなくても事象を分析することができる手法です。

べリングキャットの本
これはオープンな情報を利用するため、国の情報機関でなくとも民間でも活動が可能なことから、「インターネット探偵」とも呼ばれます。OSINTで最も有名な組織が「Bellingcat」です。語源はイソップ童話の「誰が猫の首に鈴をつけるか」から来ています。

著書「We are Bellingcat」は、創始者のEliot Higginsが、誕生の経緯から2014年のウクライナで起きたマレーシア航空17便撃墜事件の真相を暴き、2018年の元ロシア人二重スパイのセルゲイ・スクリパリ暗殺未遂事の関与した、ロシア工作員チームの身元を特定する過程を語った非常に興味深い本です。一読をお勧めします。

これらの事件を指示したのはロシアをスパイ組織で乗っ取った、今世紀最も残忍で狡猾な犯罪者プーチンです。


イラストはCanvaAI(キーワード:SNS、嘘、拡散)で生成
インターネット上では、毎日サイバー戦、情報戦、認知戦が仕掛けられ、それを防御し、嘘を暴く防衛戦が繰り広げられています。ロシアはサイバー攻撃を始め、偽情報、プロパガンダをばらまく情報戦を仕掛けてきます。更に、人々の感情を巧みに操作する高度な作戦として認知戦が展開されています。2016年のアメリカ大統領選挙におけるロシアのサイバー攻撃が有名ですが、もっと深刻なのが、トロールと呼ばれるSNSを利用したアメリカ世論の分断作戦です。ディープステイトのような滑稽なウソでも大量にバラ撒けば、一定数の人は信用します。

偽情報や認知戦は、人間の怒りや憎しみの情報は、伝達が速く、大勢に人に伝わりやすい仕組みを利用しています。情報は冷静に「自分の頭」で考えることが、インターネット上に生活する私たちの重要なスキルではないでしょうか。keep calm everything.

イラストはCanvaAI(キーワード:SNS、嘘、拡散)で生成


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