レコードを巡る冒険 神保町から御茶ノ水
先日、明治大学の社会人セミナー受講のため久しぶりに東京の神保町へ行きました。神保町、御茶ノ水界隈は集英社や文藝春秋社などの出版社や古本屋、レコード屋が立ち並ぶ好きな街です。
ディスクユニオンをはじめ中古レコード店を巡り、お目当てのレコードを探して、値段を見ながら悩むのも楽しみの一つです。いわゆるジャケットを目的に購入するジャケ買いです。
学生時代から購入した大量のレコードは、引っ越しの度に運ぶのが大変なので、結婚を機に全て売ってしまいました。
その後、CDで買い直したり、今ではAmazon Music Unlimitedでほとんどの楽曲は聴くことが出来ますが、お気に入りのレコードのLPジャケットだけは買い戻すしかありません。
今回の目的は、YMOの「BGM」、ピンクフロイドの2枚組の「ナイスペア」のお手頃価格のレコードを探すことです。「BGM」はYMOの1981年の5枚目のアルバムです。アルバムタイトルは「YMOの曲はまるでBGMのような曲だ」と批評した音楽評論家への皮肉をこめて、つけたものですが、奇しくもアンビエントミュージックを先取りしたタイトルでもあります。
個人的には、YMOの中で一番好きなアルバムです。
ジャケットデザインはデビットボウイの「ヒーローズ」で有名な奥村靫正で、テクノのイメージを一新する水彩画風のデザインは当時斬新で気に入っていましたが、その魅力は今も変わりません。価格とアルバムの状態を見て今回は見送りました。
2つめはピンクフロイドのナイスペアです。このアルバムは1973年に発売されたピンクフロイドのデビューアルバム「夜明けの口笛吹き」(1967年)と「神秘」(1968年)をカップリングしたコンピレーション・アルバムです。以前、所有していましたが特にデザインチームのヒプノシスのアートワークが素晴らしく、見開きのジャケットの表と裏でメンバーの写真とヒプノシスらしい不思議な写真がタイリングされています。
いかにもヒプノシスらしいデザインですが、どこか和風のテイストがあったり、わざとタイリングの枠を越える写真があるところが斬新です、このアルバムもアルバムの状態を見て今回は見送りました。
ジャケット・デザインで現在、再び評価されているのが、ベルギーの画家のGuy Peellaertです。「タクシードライバー」 (1976 年)、「パリ、テキサス」 (1984 年)の映画のポスターも手がけています。
「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」(It's Only Rock'n Roll)は、1974年にリリースされたローリング・ストーンズのオリジナルアルバムで、たがかロックというメッセージと、だけど好きだという歌詞のオチが面白かった。
この原画は今回オークションに出品されることも話題になっています。中古レコードの相場価格は約5000円、少し掘り出し物を探してみます。
Guy Peellaertの作品で有名なもう1つの作品はデビットボウイの「ダイヤモンドの犬」(Diamond Dogs)です。
残念ながらアルバムは地味すぎてあまり評価されず、失敗作とされていますが、見開きのジャケットも迫力があります。レコードの相場は5000円から1万円近くします。これも、どこかで掘り出し物を探してみます。
音楽とアートは繋がっており、中古レコードの魅力は、地方の中古レコード店で思わぬ掘り出し物に出会うことです。レコードを巡る冒険はまだ続きます。
※タイトル「レコードを巡る冒険」は、村上春樹の「羊を巡る冒険」のオマージュです。
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