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驚愕28万円のワインの味

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 皆様、夏季休暇はどのようにお過ごしでしょうか。基本的にブログでは親戚・家族の話題はしない事にしていますが、今回は特別に記事にします。 妹が、軽井沢に近い地域に住んでいるため夏は避暑にお邪魔しています。恒例行事はバーベキュー、近くの肉屋の「片山」で肉を調達します。この肉屋は安くて美味しいため、夏は軽井沢の別荘族が大勢押し寄せる有名店です。 涼しい屋外のウッドデッキでテーブル椅子を用意して、炭を起こして、野菜と肉を焼いて、ビール、スパークリングワインを飲みながらお互いの近況だったり、他愛のない話をしながらの食事はやはり楽しいひと時です。 後半に姪っ子の生まれた年に買った赤ワインを開けることになりました。20歳で開ける予定が色々忙しく25歳になってしまいました。先ずはワインアプリVininoでワインの詳細と値段を調べます。フランスのボイヤック産の赤ワインで価格は驚きの¥281,600円でした。買った時は¥5,000だったとのことです。調べたら1998年のフランスのぶどうは全体的に豊作で、いわゆるビンテージワインでした。 どんな味かというと、最初は酸っぱかったけど、少し時間を置くと確かに美味し気がしました。最初に値段がわかっているので脳内で、美味しいと感じるようになっているのでしょう。この価格のワインは始めて飲みました。 ワインの値段はともかく姪っ子が元気でいてくれることがPriceless。コロナが終わり、お盆に親戚と会う日常が戻ってきた2023年夏です。

半導体戦争 失われた30年

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 1980年代日本では「半導体は産業の米」と言われ半導体が繁栄を極めた時期もありました。現在、半導体は地政学的な「安全保障の重要な米」へと変化しました。 クリス・ミラー著のフィナンシャル・タイムズ ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2022受賞「半導体戦争(CHIP WAR)」は半導体の誕生、進化をアメリカを軸に台湾、日本、韓国の動向、独裁国家のソ連、中国の動向を踏まえ時系列的に描かれた半導体叙事詩です。 著者のクリス・ミラー(Christopher Miller)は技術地政学、半導体、ソ連を専門にするアメリカの政治学者で、この著作で一躍有名になりました。 私はパナソニックで機器のソフト開発に従事し、CPUと呼ばれる半導体(コンピュータ)や周辺の様々な半導体を使い、装置のソフトウェアを開発していたため、半導体の進化や、海外の半導体の栄枯盛衰や日本の半導体の凋落をリアルタイムに経験してきました。 そのため、この本は半導体の進化がわかるテクノロジの物語としてだけでなく、各国の半導体を巡る熾烈な駆け引きの裏側がわかる、スパイ小説のような面白さがあります。 今回のウクライナ戦争、台湾有事からもわかるように「半導体」は安全保障の面からも非常に重要な「物資」であり、製造のための複雑なグローバルサプライチェーンは重要な「システム」でもあります。さらに「半導体」はクラウド、AIといったITの進化に欠かせない重要な成長エンジンでもあります。 本の後半では中国の半導体の情報の盗み出し、海外の半導体会社の買収、社員の引き抜きとあらゆる手段で半導体を1国で製造しようとする試みと、アメリカのファーウェイの締め出し、半導体製造機械の輸出規制の対向措置が詳しく書かれており、正に半導体は安全保障上の重要な「物資」「システム」であることが分かります。 現在の半導体は設計(ファブレス)、前工程(ファウンダリ)、後工程(OSAT)の分業体制で製造されていて、インテルのみが全工程を自前で行っています。 半導体で、性能を決めるプロセスルールを決める工程が前工程(ファウンダリ)でありトップは台湾のTSMCで、現在プロセスの3nmの量産を目指しています。3nmを実現するために重要な装置がオランダのASML社のEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置で1台180億円します。TSMCとASML無しでは高性能の半導体は製造

ステージという名の建築物 NHK「解体キングダム」にユーミン登場 

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  8月2日NHKで午後7:57-8:42分に放送された番組「解体キングダム ~ユーミン50周年ツアー 驚きのステージ解体~」が面白かった。音楽ファンで見逃した方はNHK+で視聴することをお勧めします。 NHKの「解体キングダム」はふだん見ることのできない解体現場に潜入し、知られざる日本の技術を紹介する番組で通常は建築物を取り上げますが、今回は50周年ツアー中のユーミンのステージがテーマです。 ユーミンのステージに関しては、プチ自慢のエピソードがあります。大学時代に「ホット・スタッフ」というイベント会社でアルバイトをしていたことがあり、ユーミンの山梨でのコンサートの設営と警備をしたことがあります。ネットで検索したらツアー名は「Surf & Snow 水精の見た物語」1981年の1月19日 山梨県民会館で、アルバム「Surf & Snow」のプロモーションツアーで公演数は29会場32講演だったことが分かりました。会場設営でステージにプールを運び込んだのを覚えています。機材用トラックは2、3台でした。 それから40年余り経ち、今回の50周年アリーナツアー、全54公演のステージはアリーナ用にステージそのものを作成して15mの支柱を4本立てて天井に音響照明を釣り上げて構成します。設営作業に2日間かかります。機材用トラックも27台となりました。 コンサート終了後にこの建築物とも言える巨大ステージをスタッフ、アルバイトを含め200名の「チーム・ユーミン」 が 6時間でバラ(解体)します。作業は各セクションごとに並列で行われ、時に協力したりして手際よく進んでいきます。ステージは建築物以外にも電子機器の照明、音響、そしてその制御装置間がケーブルによって接続されているため、これらも全て接続を外していきます。 そして、外された機材は次々とトラックに搬入され、搬入後にトラックは次の目的地に出発します。リミットがあり一歩間違えると大事故につながる作業はとても大変で、神経を使いますが、スタッフは「ユーミン」のコンサートに関われることでモチベーションと高揚感を感じながら作業を進めていきます。 完全に搬出が終わりアリーナが元の姿に戻るのを見ると、本人も番組の中で語っていたように「切なく」なり、切ないからこそ次のツアーを目指したくなる。 今回のツアーのタイトル「The Journe

デイヴィッド・ホックニー展 創作は続く

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猛暑のなか東京都現代美術館(MOT)で開催中の「デイヴィッド・ホックニー展」に行きました。 デイヴィッド・ホックニーは1980年代、ニューペインティングブームの頃の「プール」の絵画で有名になり、雑誌「ブルータス」で特集されたり、原宿辺りのおしゃれなカフェバー(今は死語)に絵が飾られたりしたのを思い出します。横尾忠則もニューペインティングに影響を受けてイラストレーターから「画家」に転向します。 最寄り駅が「清澄白河駅」にある東京都現代美術館(MOT)は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)と同様に、現在アートを中心とした展示会を行っている、私の好きな美術館の一つです。過去に大規模な「横尾忠則展」やパヒュームの演出でおなじみの「真鍋大度」の個展などが開催されています。 現代で最も革新的な画家のひとりデイヴィッド・ホックニーの日本では27年ぶりとなる大規模な個展で127点もの作品が展示されています。現在、86歳を迎える彼ですが、現在はフランスのノルマンディーで精力的に作品を作り続けています。 展示会では作品は年代ごとではなく分野ごとに展示され、古い作品と今の作品が見比べられるように工夫されていたり、高い天井を利用した意表を突く展示のレイアウトがあったりと、キュレーターである東京都現代美術館の学芸員がいい仕事をしています。 デビッド・ホックニーは画家本来の創作活動をするとともに、過去の絵画の研究にも熱心で2010年に、科学的、視覚的な根拠により過去の画家はレンズを組み合わせたカメラの原型のような装置を使い密かに精密な画を描いていたという衝撃的な本「秘密の知識」を出版します。当時美術史の常識を変えたことでも有名です。 展示会の終盤にあたる1階に展示されている最近の作品群は特に圧巻です。2019年から彼はノルマンディーで創作活動を開始し、コロナ禍のなかiPod、インクジェットプリンター等の最新のテクノロジーを使い、日本の絵巻物に影響を受けた全長90メートルの大作「ノルマンディの12か月」を作成します。この階は写真撮影が許可されていますので、行かれた方は自分の好きなアングルでこの巨大作品を写真に収めることをお勧めします。 デイヴィッド・ホックニー、横尾忠則は80歳代で、草間彌生に至っては90歳代で創作活動を続けています。何か新しいモノを創作することは、多大な労力を要しますがその対価

Keep On Rock'In くるり 人見記念公会堂ライブ

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 現在、くるりは「愛の太陽EP」発売記念ホールツアー2023を、全国のホールで行っています。昭和女子大「人見記念講堂」でのライブを見に行きましたので、記事にします。ツアーは8月3日で終了したため、曲目や公演の様子を記事にします。(写真は公式旧Twitterより引用) くるりは、京都出身の岸田繁(ボーカル/ギター)と佐藤征史(ベース)を中心に1996年に結成された、ロックバンドです。メンバーは彼ら以外はかなり入れ替わっていますが、今回はサポートメンバーを入れた5人構成のバンドでした。くるりは私の好きなバンドの一つでヒット曲も多数あり、CM・ドラマのタイアップ、矢野顕子、ユーミンとの共演など多彩な活躍をしています。特に京都人らしいはんなりとした岸田くんの音楽愛と鉄道愛にあふれるキャラが好きです。 一方でライブ会場となった昭和女子大「人見記念講堂」は三軒茶屋の駅の近くにあるにもかかわらず、閑静なキャンパスの中にある、キャパ2000人のこじんまりとした音楽ホールです。「題名のない音楽会」の収録ホールとしても有名で、元々はクラッシクを中心としたホールでしたが、今では音響の良いことから多くのロック/ポップス系のミュージシャンのライブに利用されています。私も「人見記念講堂」は今回で3回目ですが、音が良くて好きなホールです。 ライブは、派手な演出も舞台装置もなくシンプルに音楽を楽しむスタイルで、「愛の太陽EP」を中心に新旧の曲を適度に取り混ぜた選曲でくるりの中期をあまり知らない私でも十分に楽しめました。実験好きの岸田くんは、テクノ・ヒップポップ・エレクトロニカ・ハウス・アンビエント・パンクさらにクラシックといった色々な要素の曲を試みるためオルタナティブ・ロックにカテゴライズされることも多いのですが、伸びやかで骨太でゆったりとしたサウンドから生み出されるグルーブは、むしろ昔のオールマン・ブラザーズ・バンドのようなサザンロックが根っこにある気がします。 個人的には、鉄道好きの岸田くんらしいクラフトワークの「ヨーロッパ急行」のオマージュソング、かつ私の利用電車でもある京急のテーマソング「赤い電車」が聴けたのがラッキーでした。 新曲の「In Your Life」も名曲「ばらの花」も盛り上がりましたが、やはり一番好きな曲「ロックンロール」が聴けて良かった。このバンドのルーツとも言える曲ではな

GenAI(生成AI) Googleの反撃なるか

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 業務でGoogle Workspace企業版を利用している関係で、Google Cloudイベント「Duet AI for Google Workspace」に参加しましたので記事にしたいと思います。残念ながら渋谷のGoogleビルでのリアル参加は抽選で外れたため、オンラインでの参加でした。 「Google Workspace」とはMicrosoftの「Office365」の対抗サービスという説明が分かりやすいかと思います。Googleはどちらかと言えば、「検索」で広告料収入を得ていましたが、「Google Workspace」は企業向けサービスとしてMicrosoftと同様なビジネスモデルを構築する狙いがあります。なぜなら不安定な広告収入より企業からのライセンス収入のほうが収入を予測できるため、ビジネスとして安定するからです。 この図は総務省のAIを説明する一般的な概念図です。AIという言葉は抽象的なため誤解が多いのですが、現在GenAI(生成AI)を始めとするAIの革新的な進歩は、深層学習(Deep Learning)と呼ばれる分野で起こっています。深層学習はアルゴリズムと巨大なデータ、そしてこれらを処理する高速の計算能力を持つコンピュータから構成されるます。アルゴリズムのベースはニューラルネットワークと言われる人間の脳をモデルとした学習アルゴリズムです。 Googleは、深層学習の分野で常にトップランナーでした。2012年、深層学習の中のCNN(Convolutional Neural Network)アルゴリズムAlexNetで画像認識大会で優勝し、その後、DeepMind社を買収し2016年アルファ碁でプロの棋士に勝利します。 2017年に現在のGenAIの基礎となるアルゴリズムがGoogle/トロント大学から発表されます。それが「Transformer」と呼ばれる自然言語処理に最適なニューラルネットワークのアルゴリズムです。2019年このアルゴリズムを応用するスタートアップ企業OpenAIにMicrosoftが資本提携します。そして2022年の夏には画像生成AIがリリース、11/30にchatGPTがリリースされ、現在のGenAIのムーブメントが始まります。深層学習はもの凄いスピードで進化しています。 「Transformer」をどう使うか考えたいたG

泡の勧め 夏はスパークリングワイン

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 今年の夏は異常な暑さですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。幸い横浜は海に近いため、風が通り比較的涼しのですが関東平野の内陸部は大変そうです。原因は偏西風の蛇行と言われていますが地球温暖化が確実に進んでいることは確かでしょう。 こんな暑い日は、ビール等の冷えた「泡」が一番美味しい。夏の食事に食中酒は、最初はビール、次に冷えたスパークリングワインがお勧めです。スパークリングワインといえば、フランスのシャンパーニュ地方特産のシャンパンが有名ですが、それなりの値段なので、普段の家の食事に毎回シャンパンという訳にはいきません。 同じ製法で産地が異なるものとしては、スペインのカバ(Cava)があります。リーズナブルな価格で美味しくて、魚にも肉にも合います。またイタリアのスプマンテ (Spumante)も美味しいです。 スパークリングワインの瓶は意外と重いので、最近は、Amazonのスパークリングワイン セットをまとめ買いします。特にセール時に購入すると1本1000円以下で購入でき、玄関先まで届けてくれるので楽です。まとめ買いはどれを冷蔵庫で冷やそうかと選ぶ楽しみもあります。飲む時にワインアプリVininoで評価を観るのも、くじ引きのように当たり外れがあり、これも一興です。 気になるのは飲み残しですが、気が抜けないようにスパークリングワイン専用のストッパーも売られていますから、色々試すのも楽しいのではないでしょうか。 一方、日本の食事に最も合う食中酒は、お米と日本の水からできている日本酒と言われています。 たまには獺祭 純米大吟醸 スパークリングは辛口で切れがあり、とても食事にあいます。 スパークリングワインもですが、日本酒のスパークリングも探せば色々ありそうです。「泡」は意外と奥深い。

分筆家としての小泉今日子 「小泉今日子 書評集」

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 私は、昔からの小泉今日子のファンです。「なんてったってアイドル」(作詞:秋元康、作曲:筒美京平)では自らがアイドルをパロディー化する曲を歌いこなせるのは、彼女の立ち位置が客観的に理解できているからでしょう。 アイドルから歌手や女優への活躍の場を広げる彼女ですが、読書好きで文章もとても上手く、エッセイも出版されています。 読書好きの彼女が、読売新聞の読書委員として2005年から2014年までの10年間、読売新聞の日曜日の書評欄を担当していたことはあまり知られていないかもしれません。私は福岡に住んでいた頃、一時、読売新聞を購読していたことがあり、彼女の書評は楽しみにしていました。 新聞の書評は、色々な面白そうな本を探す時の指標になります。今は、土曜日だけ購入する日経新聞の書評を読んで興味のある本を横浜市図書館のWebで検索し予約したり、あまりに予約数が多い場合はAmazonやメルカリで購入するかしています。 彼女が書評を担当したきっかけは、読売新聞からの依頼を彼女の恩師である、今は亡き作家であり演出家の久世光彦さんからの仲介で実現したようです。引き受ける時はそうとう迷ったようですが、非常に評判が良くて10年間連載が続くことになります。その10年間の書評をまとめた本が「小泉今日子 書評集」です。たまたま彼女の書評のことを思い出して、横浜市図書館のWebで検索して予約して借りました。 読み直してみると、落語のマクラのように、文章のイントロ部分から書評にの入り方だったり、締めの部分の見事なまとめ方や表現がとても上手く、改めていい文章を書くなと感心します。書評を読んで読みたくなる本が又見みつかりました。 分筆家としての小泉今日子、侮れません。

「さよならは夜明けの夢に」 追悼岡田徹

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私は、日本のロックバンド鈴木慶一率いる「ムーンライダーズ」のファンです。鈴木慶一は新一万円札の渋沢栄一に似ていると一部のファンの間では有名ですが、「ムーンライダーズ」は大ヒット曲があるわけでも無いため知らない人も多いと思います。 メンバーは音楽プロデューサーだったり、CMソング、映画音楽と様々なジャンルで音楽と関わっているため「ミュージシャンズミュージシャン」と言われる専門家からは高く評価される「ミュージシャン集団」です。 学生時代にアルバム「ヌーベルバーク」当たりから聴き始めて、以降はリアルタイムでレコード、CDを聴いたり、ライブにも行きました。ムーンライダーズは時代に対する感度が高く、テクノ、パンク、ニューウェーブをいち早く取り入れたりしましたが、YMOほどメジャーにはなれなかったマニア向けバンドです。 今回、2021年6月12日に EX THEATER ROPPONGIで開催した ムーンライダーズ結成45周年を記念したライブ「 THE SUPER MOON」がDVDで発売されたので早速購入して聴きました。 ムーンライダーズは全員70歳代の高齢者バンドであり、ドラマーのかしぶち哲朗は2013年に63歳の若さで亡くなっており、2023年2月14日にキーボードの岡田徹も心不全のため73歳で亡くなりました。 彼の仕事は多彩であり、プリンセス・プリンセスのプロデューサーやドコモのCMソングも手掛けていました。 今回のDVDでは、長期入院から退院したばかりの岡田徹が最後車椅子で登場し、彼の代表作である「 さよならは夜明けの夢に」を涙ながらにキーボードを演奏するシーンも収録されており、本当に感動的なステージでした。思わず私も泣きました。 「さよならは夜明けの夢に」は1977年の作品でビートルズの「She's Leaving Home」のオマージュソングであることは有名ですが、当時では珍しかった東欧地方を思わせる歌詞とメロディーが新鮮で、改めて楽曲の良さに感動します。 ムーンライダーズは高齢者ですが、後半から彼らをリスペクトする若い6名のゲストミュージシャンが参加し、サウンドに勢いと厚みが加わり圧倒的なステージとなります。彼らによって ムーンライダーズのDNAは確実に引き継がれて行くでしょう。 「 物は壊れる、人は死ぬ そういう訳さママン」とアルバム「青空八景」の歌詞

小さき青き鳥を忘れず Twitterのロゴマークが「X」に変更

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段階的に Twitterのロゴマークが「X」に変わりつつあります。イーロン・マスクのTwitter買収の目的は、Twitterを統合アプリにしてマネタイズの仕組みを構築し収益を上げる事にあったので、リブランディング戦略であるロゴマークの変更は単なる思いつきではなく、予定された戦略だったと思います。今回のブランド変更はTwitterは「X」という統合アプリとして今後展開しますというプロモーションです。ニュースに取り上げられるので、広告料はかかりません。さすがイーロン・マスクは巧みにメディアを利用します。 私の場合は、Twitterは矢野顕子や鈴木慶一、野宮真貴といったミュージシャン本人の「つぶやき」を閲覧していた程度なので、イーロン・マスクのTwitter買収を受けて、アカウントを削除しました。エンジニアの大量解雇によってシステムが脆弱になりアカウントの流出が懸念されたためです。以降、Twitter無しで生活していますが特に困りません。 今回のロゴ変更で、イーロン・マスクの欲しかったものは「Twitter文化」ではなく、世界で4億人以上いるアクティブユーザーだったことが分かります。本来のM&Aとはそういうものなのでしょう。 「Twitter文化」を惜しむ声も多く聞かれます。朝ドラ「舞いあがれ」で再注目された歌人の俵万智もTwitter上に以下の句をつぶやきました。以下引用 言の葉を ついと咥(くわ)えて 飛んでゆく 小さき青き鳥を忘れず このままで いいのに異論は 届かない マスクの下に唇をかむ 寂しいね… Twitterとイーロン・マスクを入れながら、自らの心情を吐露するところは、さすが言葉のプロです。 Twitterなどのアメリカで運用されているSNSは、アメリカの資本主義の原理で動きます。この際、Twitterからアメリカの影響を受けない純国産SNSのミクシーに乗り換えるのも良いかもしれません。

どうする家康に物申す 本能寺の変

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今回の記事は、「どうする家康」での「本能寺の変」に関して物申します。  小学生の頃に、歴史の授業で「本能寺の変」を習いました。子供心にも非常に不可解な事件で、先生に明智光秀がなぜ今で言うクーデターを起こした理由を訊いたことがありました。 先生曰く「明智光秀が織田信長にいじめられたので、その仕返しをしたから」というものでした。今では、おそらくいじめはよくないという結論ありきの回答だったのではと思いますが、以来私の中で「本能寺の変」は歴史の最大の事件であり最大の謎です。 「本能寺の変」には「本能寺の変」が起こる前の晩、香炉のカエルが鳴き始めて異変を知らせたという伝説「三足の蛙(みつあしのかえる)」だったり、宣教師のアフリカ人の奴隷で後に信長の家臣となった「弥助」や、信長の寵愛を受けていたとされる美少年「蘭丸」など色々なエピソードがあります。 又なぜ明智光秀が織田信長を討ったのかは諸説あり、色々な研究もされています。単独説では明智光秀ノイローゼ説、怨恨説、黒幕説では朝庭黒幕説、イエズス会黒幕説等があり、小説や大河を始め、各ドラマ、映画で描かれています。 もし、織田信長が殺されずに天下を統一していたら、その後、朝庭を安土桃山城の本丸御殿「御幸の間」に幽閉し、東南アジアに進出して、日本はグローバル国家を形成していたかもしれません。それほど「本能寺の変」は日本史上のターニングポイントの一つとなる重要な出来事だと思います。 一方、今回の「どうする家康」での「本能寺の変」の描き方はドラマ史上最低の出来でした。まず脚本家の古沢良太氏が徳川家康(松本潤)と織田信長(岡田准一)のジャニーズ忖度とも思えるほど二人の関係を掘り下げるあまり、明智光秀(酒向芳)の描き方がゲス過ぎてドラマに入っていけません。役者酒向芳は、TBSドラマ「最愛」など、これまでも癖のあるバイプレイヤーで良い仕事をしています。今回の明智光秀役は葛藤も野心も感じられずに嫉妬深い陰険なイヤなヤツで、まるで漫画のようなキャラ設定のため、演じている本人も気の毒でなりません。 明智光秀が織田信長を殺した理由も分からず、唐突にお市の方が堺に現れたり、家康が織田信長殺害を本能寺近くで実際に計画していたりと、もはやファンタジーを通り越した出来の悪いギャグにしかみえません。 ドラマ・映画等のエンタメは制約(この場合は史実)の中でいかにあり

モノに対する愛#1 筆記用具

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普段、仕事は殆どキーボートを使いますが、打ち合わせの時のメモに筆記用具は欠かせないモノです。長年、CROSSの小ぶりのペンケースを使っていましたが、さすがにボロボロになってきたため、メルカリで同じものを探して購入しました。やはり、新しい方が新鮮な気持ちになります。 普段使っている筆記用具はPARKERのボールペンと、プラチナ万年筆の「プレスマン」というシャープペンの2本のみです。 PARKERのボールペンは、適度な質量と、少し太めな線でなめらかな書き心地が非常に気に入って長く使っています。 プラチナ万年筆の「プレスマン」は速記士、新聞記者向けに開発されたシャープペンです。使用している芯が0.9mmとやや太めで折れにくいのが特徴です。私は筆圧が高い方なので、0.5mmの芯のシャープペンは芯折れが起きて、書いている時にストレスを感じますが、「プレスマン」は芯折れがなく非常に書きやすく気に入っています。気に入った書き心地の筆記具は基本的には同じものを使い続けています。大工さんほどではありませんが、仕事に使う道具は多少のこだわりはあります。 後はノベルティのボールペンもたまに使うこともあります。 写真の上から順に説明すると、最初はパナソニック創業100年記念の内部向けPARKERのボールペンです、書きやすいので家で使っています。(打ち合わせでは使いません。) 2番目は展示会で頂いた、今GenAIで注目されているNVIDAのボールペン、日本のマクニカが代理店をしています。 3番目は展示会で頂いた、Google Cloudのボールペン、クラウドではAmazon、Microsoftに対して苦戦するGoogleですが、意外とクラウドは使いやすいです。 最後はIoT-SIMのスタートアップ企業SORACOMのカンファレンスで頂いたボールペン、ペパーミントグリーンの色がオシャレ。 筆記用具は私の知的作業の重要な道具であり良いものを長く使いたいのですが、ハンズ(旧東急ハンズ)等の筆記用具コーナーには凄まじい種類の筆記用具があります。こんなに種類があったら、選ぶだけで疲れそうですね。

告知 「Augusta Camp 2023」赤レンガパーク

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 オーガスタキャンプ(Augusta Camp)と呼ばれている野外ライブのフェスがあります。音楽制作プロダクション、株式会社オフィスオーガスタが主催するイベントで所属のミュージシャンが出演します。 メンバーはスキマスイッチ、杏子、山崎まさよし、岡本定義(COIL) 、あらきゆうこ、元ちとせ、長澤知之、秦 基博、さかいゆう、浜端ヨウヘイ、竹原ピストルと錚々たるメンバーで2023年9月23日(土)横浜赤レンガパークで開催されます。 2001年から続くライブですが、スガシカオも参加していましたが2011年にオフィスオーガスタを退社してから参加しなくなりスガシカオファンとしては残念です。 このメンバーで一番好きなミュージシャンは元バービーボーイズのボーカル杏子です。ハスキーでソウルフルでちょっぴりエッチな日本のディーバ(歌姫)で最近も精力的にソロ活動をしています。 2006年に発売された、杏子、山崎まさよし、スガシカオ、COIL、あらきゆうこ(mi-gu)、元ちとせ、スキマスイッチのメンバーの「福耳」と言うバンドの「惑星タイマー」という曲は、スキマスイッチと杏子のボーカルの良さがひかる名曲です。 横浜赤レンガパークで開催される音楽フェスは、いろいろ観てきましたが、都市型ファスの中では交通の便がよく、自然も豊かで海風も心地よくお勧めのフェス会場です。 今回、チケットを申し込みましたが当たることを祈り、記事を書きました。

MicrosoftはGenAI(生成AI)のリーダーになれるか

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 生成AIブームは盛り上がりを見せています。日本語の生成AIは、英語のGenerative AIとはニュアンスが異なるため最近では、シリコンバレーでよく使われている省略形GenAIと呼ばれることが増えています。この記事では生成AIをGenAIと呼ぶようにします。 2023年7月18日、Microsoftは、Officeソフトウェアと連動する新たな法人向けGenAIツール「Copilot(コパイロット)」の利用料金を月額30ドルで提供することを発表しました。chatGPTに代表されるchat型のGenAIは、敷居が高くて使いこなすのが難しいと考えている人も多いと思いますが、業務で使用しているExcelやWord、パワポの中にGenAIが組み込まれることにより、爆発的にGenAIの利用が進むことが予想されます。 又、Meta(旧:フェースブック)は同日に、次世代のオープンソース大規模言語モデル「Llama 2」の提供開始を発表しました。更にMicrosoftとMetaは、長年のパートナーシップを拡大し、MicrosoftはLlama 2 の優先パートナーになることも発表しました。 Microsoftの株価は18日に約4%上昇し、過去最高値を更新し、時価総額は2兆6700億ドル(約372兆円)となりました。GenAIの世界でMicrosoftとMetaが連携し、Googleに対峙する事になります。 GAFAMのなかでMicrosoftはコンシューマー向けではなく企業向けの影響力が強いため、GenAIが一部の技術オタクのネタから一気にビジネスツールとして普及するかもしれません。 個人的にはWindowsのアップデート、Officeのバグ等でMicrosoftには痛い目ばかりあっていますが、GenAIのリーダーは何処になるのか、動向が気になります。 GenAIのメインプレイヤーはアメリカであり、日本企業はGenAI競争には関係なさそうですが、いいニュースもあります。 2023年7月6日に、日本のIoTスタートアップ企業のSORACOMと日本のAIの第一プレイヤーの東京大学大学院工学系研究科松尾研究室がGenAIのIoT分野での活用を研究・推進するチーム「IoT x GenAI Lab」を設立しました。これからは日本の新しい産学連携の新しいプレイヤーに期待したいと思います。

茅ヶ崎の頃 Back to 1990 そしてサザン45周年

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 1990年、結婚と同時に仕事の関係で茅ヶ崎に転勤となり茅ヶ崎市の東海岸に数年間住んでいたことがあります。 茅ヶ崎市は平坦でコンパクトな街で、住んでいた東海岸からは歩いて海に行けましたし、夏は近所の家では、バーベキューで盛り上がっていたり、ビキニの女性が歩いていたり、リゾート感満載なのんびりとした、ゆるい場所でした。 近所にはサザンの歌で有名な、ラチエン通りがあり、烏帽子岩や、加山雄三の父上原謙が経営していた、パシフィックホテルもありました。又、桑田佳祐も通っていた居酒屋「えぼし」も料理が美味しくてよく行きました。 当時、桑田佳祐作の映画「稲村ジェーン」が上映された頃で映画は評判はよくありませんでしたが、アルバム「稲村ジェーン」は「真夏の果実」「希望の轍」と名曲ぞろいの傑作です。 2023年、桑田佳祐の生まれ故郷でもある茅ヶ崎で、結成45周年を記念して野外ライブが4日間開催されます。 今回もおそらくチケットが取れないことや、茅ヶ崎駅の混雑等を考えて映画館でライブビューイングで観ようと思います。結成35周年の時は、福岡の映画館でライブビューイングを観ています。ライブビューイングは、涼しいしトイレ待ち等も心配無いので、お勧めの鑑賞方法です。  新曲の盆ギリ恋歌もちょっとスケベな桑田佳祐の相変わらずな曲で楽しめます。 サザンは、私が学生の頃からリアルタイムに聞いているバンドであり、同年代としてその活動を応援していきたいと思います。

「空気」の正体 ジャニーズ関連の山下達郎発言に思う#2

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 ジャニーズ関連の山下達郎発言に思うの第二弾です。2023年7月9日の山下達郎のサンソンの発言を受けてネットは大炎上しました。 ネガティブな記事も多くなりました。 ゲンダイ記事より「サブスク解禁は拒否、コンサートで観客に説教」「いくら山下の音楽が素晴らしくても、こんな頑迷固陋な“裸の王様”ではファンの落胆も当然。大いに晩節を汚すことになる。」 関係者の話「時代に流されない職人肌と言えば聞こえはいいですが、時代とズレたわがままなガンコ親父ですよ。」 レコード会社スタッフ「ラジオでも『山下達郎のアルバムが予定通りに出るわけはないんですよ』などと開き直って話しています。振り回されるスタッフは大変です。」 ファンのブログより「「一音楽家」って言いながら、心は、アーティスト側ではないのが、バレバレ。「晩節を汚した」って書いていたマスコミもいましたが、私も今回の放送を聴いて、正直、山下達郎さんには、幻滅しました。」 音楽YouTuber・みのさんの動画より「紛れもなく忖度、そして長い物には巻かれるものだと私は考えます。というか、これはもう開き直りですよね。」 私は、Radikoで山下達郎の発言を自ら聴きましたが「大いに晩節を汚すことになる。」ような発言ではないと思っています。 そんな時期7月12日にタレントの「りゅうちぇる」さんが自殺します。Googleトレンドというその時の検索数を調べるツールを使うと、一般人「空気」の傾向がわかります。このグラフでわかるように、「りゅうちぇる」さんの自殺をきっかけに山下達郎関連の検索は減り、批判的な記事は無くなります。 検索数の比較は桁が違うため、あえて2つのグラフにしましたが、自殺の原因がSNS、ネットニュースの誹謗中傷ではないかという憶測が出て「誹謗」の検索の増加と逆に「山下達郎」の検索数が減っているのがわかります。 なぜ「山下達郎」の検索数が減ったかと言えば、誹謗中傷はまずいなという「空気」が形成されたことと、タレントの「りゅうちぇる」さんのほうが誰でも知っている人なので人々の関心が「山下達郎」から「りゅうちぇる」へ移ったためだと思われます。 「空気」はその場、その時の雰囲気であり、どんどん変化していきます。時代の「空気」は所詮そんなものです。いちいち敏感になる必要もありません。 問題発言の翌週の7月15日の山下達郎のサンソンは、ジャニ

縮小日本#5 成長のない繁栄 Beyond GDP

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 しばらく、あいだが空きましたが「シリーズ縮小日本#5」の最終回はこれからの日本はどうすべきか、私たちはどう行動すべきかについて述べます。 最近、話題になっているジェイソン・ヒッケル(Jason Hickel)著「資本主義の次に来る世界」を読みました。この本が今回のテーマのヒントになると思いますので、興味のある方は一読をお勧めします。 著者の「ジェイソン・ヒッケル」はアフリカのエスワティニ(旧スワジランド)出身の最近注目されている経済学者です。英国王立芸術家協会のフェローであり、現在は欧州グリーン・ニューディールの諮問委員を務め、「ランセット 賠償および再分配正義に関する委員会」のメンバーとしても活躍しています。 地球温暖化、環境問題の視点から、地球の資源、生命を破壊しながら歯止めなく成長し続ける資本主義の危険性を説き、「アミニズム」の観点から成長しない社会の提案をし、次に来るべき社会を示唆してくれる本です。 最近、ドイツの自然保護区では25年間で飛ぶ昆虫が75%が消滅しているとの衝撃的な調査結果が報告されています。昆虫の減少が広域で起きています。大企業による、大規模農業の影響により森林だけでなくミミズ、微生物を含む大量の生命が失われ、土壌の生態系が大規模に破壊されていることが明らかになってきました。海でも魚の大量な捕獲により生態系が大規模に破壊されていることが、報告されています。 資本主義は、無限に成長することを前提にしたメカニズムの経済であり、脱炭素を目指す電気自動車のイノベーションも、希少金属を大量に消費することで、地球環境を破壊しています。 解決策は、成長しないことにあります。GDP(国民総生産)は豊かさを表す指標として使われてきましたが、精神的な満足度を必ずしも表してはいません。現在注目されているGPI(Genuine Progress Indicator )は「人が経済的・社会的にどれほど順調であるか」を示す新しい指標です。 アメリカは資本主義を止めることは無いでしょうが、既に北欧、ブータン、コスタリカではGPIを指標にした脱資本主義「成長なき繁栄」の試みは始まっています。これらの国では医療・教育などの社会インフラの充実を政府主導で行い、シェアビジネスのような所有権から使用権へのパラダイムシフトを加速させています。 以前、日本の成長にイノベーションが欠か

ブライアン・イーノ旧作をリビルド Dolby Atmosへの挑戦 

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最近、音楽や映画で話題になっている、ドルビーアトモス(  Dolby Atmos)は、ドルビー研究所の開発した音をより立体的に再生することができる新しいサラウンド再生規格です。 従来はチャンネル毎に割り付けられたトラックに音声データを用意するのではなく、音の固まり毎に音声データと位置情報を用意して、音の再生時に  、リアルタイムに演算をして音の位置からの再生を行うため、音の左右上下の音場が再現できる優れた規格です。 装置のCPU、DSPの演算速度が早くなったため映画館だけでなく、最近ではホームシアター用スピーカーや、スマートフォンのイアホンでも再生可能になりました。 最近、私の所有しているSONOSのスピーカーにサブウーファーを追加購入して、映画を サラウンドで 観ています。SONOSは ドルビーアトモス対応のため、 アトモス 対応の映画はより 立体的なサラウンドを楽しむことができます。 2023年7月、私の好きなミュージシャン、ブライアン・イーノが旧作を含む以下の7作品をドルビーアトモスでAmazon Music Apple等で配信を開始しました。 「Taking Tiger Mountain」(1974年) 「Another Green World」(1975年) 「Small Craft On A Milk Sea」(2010年) 「Drums Between The Bells」(2011年) 「LUX」(2012年) 「Reflection」(2016年) 「The Ship」(2016年) 今年、75歳になるブライアン・イーノですが、積極的に最新のテクノロジーを取り入れて自ら新しい領域に入っていく好奇心とチャレンジ精神は尊敬に値します。彼はドルビーアトモスについて以下のように語っています。 「3D音楽が興味深いのは、(ステレオ・リスニングなどによってもたらされる)2次元の空間よりもはるかに多くのディテールを維持した没入空間を作り得る可能性があることです。私たちの耳は目ほど指向性がありませんが、それでも空間内の音の位置を特定する能力があり、3次元で聴くことで、まったく新しい作曲の可能性が生まれ、またそれによってリスナーに、より複雑な方法で音楽空間を“探検”する経験を可能にします。それこそが、2次元のサウンド・ペインティング(2D絵画)から3次元のサウンド・

ロシアとトランプ 策略国家ロシア#3

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 ロシアシリーズの3回目は、ロシアとトランプの関係についてです。 トランプ元大統領(現在ではトランプ容疑者)の政権の内幕を詳しく描いたボブ・ウッドワード著書の「恐怖の男 トランプ政権の真実(Fear: Trump in the White House)」が非常に面白いので、まだ読まれてない方がいたら一読をお勧めします。 著書のボブ・ウッドワードはカール・バーンスタイン記者とともに、ニクソン大統領の「ウォーターゲート事件」を取材し、辞任にまで追い込んだワシントン・ポストの記者です。 この本はトランプ大統領の多くの側近からのインタビューからトランプ政権の内幕をリアルに描き出しています。ジェームズ・マティス国防長官はトランプ大統領の理解力は「小学5年生か6年生」程度であり、文書でなく動画のブリーフィング資料を好んだとも言われています。又彼は典型的なサイコパスであり、自己中心主義者ゆえに、ホワイトハウスは「混乱し、機能不全に陥り、準備が整っていない」状態に陥ります。それでも民主主義国家ゆえのシステムがなんとか政権を運営していましたが、トランプ政権時代、民主主義は大きく後退し、国家はリベラルと保守に分断されました。 又、Qアノンに代表される荒唐無稽の陰謀論がSNSで流布され、最後には議事堂襲撃という内戦に至ってもおかしくない事態となりました。トランプを大統領にして、世論を分断させ、大統領敗北から議事堂襲撃させた背景に、ロシアのサイバー攻撃、情報戦と認知戦があります。 前出の書籍「プーチン」の下巻に、トランプとロシアの関係が詳細に記載されています。トランプは大統領になる前の不動産業を経営していた時期に、自己破産の危機に陥ります。それを助けたのがロシアのオリガルヒと呼ばれる富豪たちです。 ロシアとトランプの関係は深まり、大統領になる前の2013年には「ミス・ユニバース」大会に出席するためモスクワを訪問します。かつてオバマ大統領が泊まったリッツカールトン・ホテルの大統領スイートで、オバマ大統領への当てつけから複数の売春婦を呼び寄せて乱痴気騒ぎをします。策略国家ロシアは、弱みを握るため当然その様子を隠しカメラで録画します。 ロシアはトランプを利用するため、2016年の大統領選ではヒラリー・クリントン陣営をハッキングしてメールの内容を晒すことでトランプを大統領に就任させます。 その後、

「空気」に忖度しない ジャニーズ関連の山下達郎発言に思う

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 現在、連日のようにジャニーズ性加害問題関連の報道がなされ、この問題に巻き込まれたかたちで山下達郎のラジオでの発言が話題となっています。 ジャニーズ事務所に関する個人的な思い出があります。パナソニック時代に、2000年代開始されたデジタル放送でデータ通信の内容を印刷できるホームプリンタKX-PG2の開発に関わったことがあります。 当初テレビの画面をスクリーンショットして印刷する機能を入れる予定でしたが、関係者の話ではジャニーズ事務所からの猛反対にあって、この機能はボツとなりました。録画は個人使用で許されるのですから、納得いきませんでしたが、長いものにまかれてしまいました。それが原因かわかりませんがホームプリンタは見事に売れませんでした。 個人的には、ジャニーズ事務所の高圧的な態度を実感し、今でもジャニーズ事務所には不信感を持っています。 一方、山下達郎はシュガー・ベイブ時代からのファンであり、現在アナログ盤で再発売されている一連の作品は大学時代によく聞きました。特に「MOONGLOW」はジャケットも良いしオープニングのコーラスのかっこよさは今聴いても感動します。又、サンソンこと山下達郎の「サンデー・ソング・ブック」はRadikoの普及とともに、今では日曜の夜にお風呂に入りながら聴くことが日課となっています。 今回の、音楽プロデューサー・松尾潔さんの契約終了問題について7月10日の「サンソン」で山下達郎自身の言葉で説明を行いました。彼の説明は率直であり、音楽に関わるものとして、事件とは別に作品へのリスペクトは尊重されるべきであるという真っ直ぐな正論でした。 その中の発言の又一部の切り取られ波紋を呼んでいます。正確を期すため発言の一部を掲載します。 ”彼らの才能を引き出し、良い楽曲を共に作ることこそが、私の本分だと思ってやってまいりました。この様な私の姿勢をですね「忖度」あるいは「長いものに巻かれている」と、その様に解釈されるのであれば、それでもかまいません。きっとそういう方々には、私の音楽は不要でしょう。” これに対して、「偉そうだ」とか「作品を人質に取った」とかネット上では様々な意見が出ています。そもそもこの発言は、興味本位や記事にするために山下達郎の「サンソン」を普段聴いていないリスナーに対しての発言です。昔のミュージシャンなら「いやなら聴くな、バカヤロー!」ぐら

シブヤ大学 「今、台湾でなにが起きているのか?」

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 シブヤ大学は、NPO団体が運営する生涯学習を提供するプロジェクトです。以前、福岡在住の頃に姉妹校であるテンジン大学の授業に参加していた関係で、関東に戻ってからはシブヤ大学の授業に参加しています。月に数回の授業があり、興味のある授業に参加しています。授業は基本的に無料で、普段は接することのない領域の講師の話を聴くことができ、有益な体験ができます。 今回のテーマは「今、台湾でなにが起きているのか?」で、講師は台湾在住のノンフィクションライターの近藤 弥生子さんです。 彼女の主な著書は「 オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと(ブックマン社)」「 オードリー・タン 母の手記「成長戦争」 自分、そして世界との和解(KADOKAWA)」であり、 オードリー・タンに関心のある私は、是非話を聴いてみたいと思い授業に参加しました。 オードリー・タンは台湾のデジタル大臣であり、天才プログラマーでもあります、コロナ対策のリーダーとして様々なアプリケーションを短期間で立ち上げ、デジタル・ガバメントのリーダーとして一躍有名になりました。 授業は「台湾 ✕ デジタル」と題して、現在台湾で行われているシビックマインド/デジタル民主主義とオープンガバメント/ソーシャルイノベーションについて分かりやすく解説してくれました。又「台湾 ✕ ジェンダー」ではジェンダーへの台湾の取り組みを賃金格差・議員男女比率・同性婚などを法制度の面から説明してくれました。そして、最後は台湾が、最近力をいれている「台湾 ✕ デザイン」というデザインの行政と台湾文創(歴史・文化・創造性を結びつけた産業)について解説がありました。 台湾の昔のイメージは小籠包の美味しい親日派が多いの観光地でしたが、最近はTSMCをはじめとする半導体産業主体のデジタル戦略と、台湾有事と言われる中国からの侵攻の懸念から、台湾のイメージがだいぶ変わって来ています。 今回の授業を受けて、改めて日本に比べデジタル化、民主化、若者の政治参加が進んでるることに驚きました。台湾は国家として認められていません、そのため欧州のGDP以外のグローバルな指標を意識して、デジタル化、民主化を進めて行っています。 一方、日本はマイナカードの普及もままならないデジタル後進国ですし、夫婦別姓すら認めない保守的な国であり、ジャニーズ問題に代表される忖度のまかり通る、自

映画「岸辺露伴ルーブルへ行く」 日本とフランスとアート

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休日に色々な予定があり、 観たくてもなかなか行けなかった、映画「岸辺露伴ルーブルへ行く」を観ました。 NHKが人気シリーズ 「岸辺露伴は動かない」 を映画化した作品が 「岸辺露伴ルーブルへ行く」です。70歳までにルーブル美術館に実際に行きたいと思っていたので気になっていた映画です。 岸辺露伴シリーズは、荒木飛呂彦による「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画のスピンオフであり、その映像作品がNHKの高橋一生主演「岸辺露伴は動かない」です。私は、原作の漫画は読んだことはありませんが、ドラマ「岸辺露伴は動かない」は毎回観ていました。ストーリーの面白さに加えて、特殊能力「ヘブンズ・ドアー」の人間の記憶の映像化が斬新で、独特の世界観に惹かれます。 シーズン2の「背中の正面」「六壁坂」は市川猿之助が出演しているためにオンデマンドではもう観ることはできません。 ルーブル美術館は、BD(バンド・デシネ)プロジェクトと呼ばれるアニメ・漫画の紹介にも力をいれており、このプロジェクト5弾目として荒木飛呂彦が漫画「岸辺露伴ルーブルへ行く」を作成しました。そのため、日本とフランスの繋がりを意識した作品になっています。 「黒」は全ての光を吸収するため見えないことにより、見える特別な色です。この「黒」を描くために使用した特別な顔料で描かれた、この世で「最も邪悪な黒い絵」を巡るストーリーは、実際にルーブル美術館でロケが行われており、絵画好きにはとても興味深いミステリー映画です。この絵画は250年前に日本で描かれ、最後はルーブル美術館に保管されていました。 前回のブログでも書いたように、日本の浮世絵はフランスの印象派に影響を与え、現在の日本の漫画・アニメはフランスでもアートとして高い評価を受けています。日本とフランスの美意識はどこか通ずるものがあるのかもしれません。 やはり、フランスには惹かれます。

「うたかたの日々」 岡崎京子を再評価する

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 調べ物で、昔の自分のブログをみていたら漫画家の岡崎京子の「うたかたの日々」の記事がありました。思わずこの本が欲しくなりAmazon、メルカリで調べたらメルカリで490円で出品されていたので直ぐに購入しました。 「うたかたの日々」はフランスの作家ボリス・ヴィアンによる1947年の小説の邦題であり、2013年に、ミシェル・ゴンドリー監督が「ムード・インディゴ うたかたの日々」で映画化しています。私のブログのタイトル「遍在の日々」は「うたかたの日々」へのオマージュでもあります。 一方、岡崎京子は女性漫画家で、沢尻エリカ主演の「スケルターヘルター」、二階堂ふみ主演の「リバース・エッジ」で映画化されているのでご存知の方も多いと思います。 彼女は、いわゆる1980-90年のサブカルブームのなか、イラストに近いスタイリッシュな絵と独特なストーリで注目されていましたが、残念ながら1996年に自宅付近を夫と散歩中に、飲酒運転の乗用車にひき逃げされて重症を負ったため、作家活動は現在でも休止状態です。 非常に才能のある漫画家だったので、新たな作品を読むことが出来ないことは残念でなりません。 漫画「うたかたの日々」は本の装丁が非常に丁寧に作られていて、そのクオリティーに驚かされます。本はハードカバーでさらに最近では珍しくケースに入っています。最近の電子書籍にはない、「モノ」としての魅力を感じます。 画は手塚治虫も使った、四角の均等割コマを使ったり、ストーリーとは無関係なイラストがあったりと、今読み直しても非常に映像的でおしゃれな作りが新鮮です。 2015年に初の大規模個展「戦場のガールズ・ライフ」東京・世田谷文学館で開かれましたが、残念ながら見れませんでした。     近年、海外でも日本のマンガ・アニメが評価されています。特にフランスで日本のマンガ・アニメが評価されているのは、フランスの印象派の画家が浮世絵にインスパイアされたように日本とフランスの芸術に対する感性が似ているらかもしれません。奇しくも「うたかたの日々」の舞台はフランスです。2023年個人的に、岡崎京子を再評価します。

楽天モバイルとラマンチャの男「三木谷社長」

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新聞記者は上司から「携帯は必ずNTTドコモを持て」と言われるそうです。それは新聞記者が、過疎地域や離島、山岳地帯に取材に行った時に、一番繋がりやすいのはNTTドコモであることを経験上知っているからです。 携帯事業の本質は、日本全国、津々浦々に携帯の基地局をどれだけ設置しているかの基地局の量と質にあります。「人口カバー率」という指標はトリックがあり、都市部に集中的に基地局を設置すれば上がるため、総務省は「基盤展開率」と言った日本全土を10Kmのメッシュにして基地局の数を指標にしようとしています。NTTドコモの場合、前身が国営企業であったこともあり、国からの補助金を受けて離島、山岳地帯に地道に基地局を設置しています。そのため「基盤展開率」はキャリアの中で一番です。 この携帯の世界に無謀にも参入した会社があります。それが「三木谷社長」率いる楽天モバイルです。図は各キャリアの設備投資額を表すグラフです。2020年度におけるキャリア各社の設備投資額はNTTドコモが5691億円、KDDI(au)は3615億円、ソフトバンクが3569億円、楽天モバイルは3359億円と楽天モバイルが最も低いことがわかります。他の3キャリアは既に既存の基地局を保有しているにも関わらず、5G等の投資を行っています。ゼロから基地局を設置していく楽天モバイルの投資額は他のキャリアを大幅に超えていないといけないのですが、この設備投資額はショボすぎます。 最近、YouTubeでホリエモンがさかんに「楽天モバイル売却説」を流しています。ホリエモンは、ライブドア時代に球団買収を試み、最後三木谷社長が「楽天」球団を買収したため個人的な恨みもあるかもしれませんが、楽天モバイルの売却は現実的な流れだと思います。 挑戦と無謀は明らかに違います。自らを騎士と名のり風車に向かって剣をふる「ドン・キホーテ」ことラマンチャの男が、今の「三木谷社長」かもしれません。 最終的に不利益を被るのは「楽天モバイル」のユーザーです。もしあなたや、ご家族が行方不明になった時に、位置情報を特定できるのは、基地局の多いキャリアに加入している携帯電話(スマホ)です。 従って、個人的には「楽天モバイル」の新規加入はお勧めしません。携帯が繋がりやすくコストが安くなるお勧めの方法はNVMO(仮想移動体通信事業者)で基地局をNTTドコモに指定する事です。N

行きたかった! プラネタリウム・ショー「The Dark Side Of The Moon」

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 今年は、ピンク・フロイドの「The Dark Side Of The Moon」の発売50周年を記念して、音源の再発売やイベントが開催されています。 1973年に発売された「The Dark Side Of The Moon」(邦題:狂気)は私が高校時代によく聴いたプログレッシブロック(略称:プログレ)の傑作アルバムです。売上5000万以上と世界で最も売れたアルバムの一つです。 「狂気」の50周年記念プロジェクトの一環として制作されたプラネタリム・ショー「The Dark Side Of The Moon」ですが、全世界100カ所以上のプラネタリウムで上映されます。この記念すべき作品の日本最速上映が、コニカミノルタプラネタリアTOKYOで開催されます。「The Dark Side Of The Moon」は、アルバムの収録曲全10曲を収録曲順に使用。プラネタリウムドーム音響の特性を生かした5.1chのサラウンドミックスとともに、これまでにない「狂気」の音像世界を楽しめます。 是非行きたくて、コニカミノルタプラネタリアTOKYOの会員登録をした後に、Webからの予約に挑戦しましたがアクセス集中でサーバーに繋がらず予約できませんでした。人気が高かったので追加募集がありましたが、結果は同様でした。 YouTubeのオフィシャル紹介ビデオを見る限り、映像が素晴らしいので是非観たいと思います。ピンク・フロイドの「The Dark Side Of The Moon」に人気は未だ衰えておらず、音楽の評価は時間が証明してくれることを改めて感じました。 次回の上映募集があったら、今度こそ行きたいと思います。

バルカンファイル(Vulkan Files)流出 犯罪国家ロシア#2

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 最近、一般的には報道されていませんが、サイバーセキュリティの関係者で話題になっているニュースがあります。それが「Vulkanファイル」流出事件です。 ロシアのサイバー攻撃については、ウクライナ戦争以前から2016年のアメリカ大統領選挙に介入しトランプを勝利させたことで有名ですが、IPアドレスのルーティング等からの推測であり完全な証拠があったわけではありません。 今回の「Vulkanファイル」流出事件は、スノーデン事件と同様に内部告発型事件です。 スノーデンは、アメリカ国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の請負会社であるコンサルタント会社「ブーズ・アレン・ハミルトン」のシステム分析官として、アメリカ合衆国連邦政府による情報収集活動に関わった人物です。 2013年6月に複数のメディアに対して、NSAによる国際的監視網(PRISM)の実在を告発し、大事件となりました。その後、アメリカで逮捕されそうになった彼は、皮肉にもロシアに亡命します。 今回、ロシアから流出した文書「Vulkanファイル」はロシアのIT企業「NTC Vulkan」の社員からドイツのある記者へと共有されたファイルです。流出の動機について社員は「この会社は悪いことをしている、そしてロシア政府は卑怯で間違っている」さらに「私はウクライナ侵攻について怒っている、あそこでは酷いことが起きている」、「あなたがこの情報を使って閉ざされたドアの裏側で何が怒っているのかを知らしめてくれることを願っている」と語っているそうです。 その後このドイツ人記者はワシントン・ポスト紙などのニュースメディア数社からなるグループへ文書を共有し、その後「Vulkan ファイル」を入手したワシントン・ポスト紙は、各情報機関、サイバーセキュリティ専門家に裏取りをした後に、記事として公開しました。 文書には、ウクライナで報告された停電や韓国におけるオリンピックの妨害といった大規模なセキュリティ事件や、悪名高きマルウェア「NotPetya」の作成に関与したさまざまなロシアのハッキングツールについて書かれています。  また、NTC Vulkan と、「FSB(ロシア連邦保安庁)」「GRU(ロシア軍参謀本部情報総局)」「SRV(ロシア対外情報庁)」といったロシアの情報機関や軍事機関との関係を結びつける情報も示されています。リー

日本のラップ、HIP POPの起源はどの曲か?

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 日曜日の夜、テレビ朝日で放送している「関ジャム」こと「関ジャム 完全燃SHOW 」はミュージシャンもよく観ているマニアックな音楽番組で、毎週楽しみに観ています。 聴いてみたい曲は、その場でAmazon Music Unlimitedで検索して、ダウンロードできるので便利な時代に感謝です。今回のテーマは「プロが発掘!!昭和・平成の名曲&迷曲特集」!!で、菊池桃子のロックバンド「ラ・ムー」、日本版アースウインド&ファイヤーの「スペクトラム」とか懐かしい、当時キワモノ扱いされていたけど音楽的には優れていた名曲・迷曲が紹介されて、いい企画でした。 なかでも、ザ・ドリフターズ「ドリフの早口ことば」は元祖日本の「ラップ、HIP POP」だったという説には目からウロコで、さすが音楽評論家だと感心しました。アメリカでラップが誕生したのが1979年と言われているので、1980年のドリフの楽曲は確かに元祖ラップっだったかもしれません。 私の感覚では、1981年の「スネークマンショー」-「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」が元祖ラップではないかと思っていました。 「スネークマンショー」は桑原茂一と小林克也、伊武雅刀が参加したラジオ番組のユニットです。1980年、YMOの「増殖」でコラボして有名になり、1981年にアルバムをリリースしました。その時の曲が「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」です。イントロから語りのラップがカッコよくてよくできた曲だと思います。「スネークマンショー」はお笑いのイロモノ的な扱いをされていますが、「ラップ、HIP POP」やニューウェイブと時代の先頭を走っていたユニットで、色々なミュージシャンに影響を与えました。 その後、吉幾三のヒット曲「俺ら東京さ行ぐだ」といった、イロモノ扱いされていた「ラップ、HIP POP」を音楽として商業的に成功させたのは、1984年発売の佐野元春の「VISITORS」だったと思います。 冒頭の曲「COMPLICATION SHAKEDOWN」はファンクなノリが、ニューヨークで実際に生活していた佐野元春の体が感じていたビートがリアルに表現されている、イロモノではない日本のラップ元年として記念すべき1曲です。アルバム・タイトルである「VISITORS」の歌詞も良いし、今聞いても新鮮で名曲です。 個人的には、渋谷系のピチカー

マイナカードに物申す#2 どうする富士通 

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マイナカードに物申す#2です。今回はこのシステムを請け負っている富士通についての記事です。 富士通は6月29日、マイナカードを使った証明書交付サービスについて、システムを再停止して点検し直すと発表しました。福岡県宗像市で起きた別人の住民票が交付されるなどのトラブルが再び見つかったためです。全国123自治体で再びサービスが使えなくなり、再開の時期は未定ということです。 6月30日に追い打ちをかけるように総務省は、富士通のサイバー攻撃への対策に不備があったとして同社とその子会社を行政指導したと発表しました。 同社の法人向けのインターネット回線サービスがサイバー攻撃を受け、約1700の企業や政府機関の情報が流出した可能性があるとのことです。サイバー攻撃によって情報を漏洩(ろうえい)された企業が、総務省から指導を受けるのは初めてとの事です。 2021年8月に「みずほ銀行」大規模障害が発生しました。障害の原因の各業務システムを統合するプラットホームを担当したのも富士通でした。 みずほ銀行の前身である第一勧業、富士、日本興業の旧3行が利用していた富士通、日本IBM、日立製作所のシステムです。通常のシステム統合は1社に統一するのですが、政治的な思惑で3社のシステムを活かしながら業務毎にシステムが接続されています。 そのため、みずほ銀行システムは「IT業界のサグラダファミリア」と揶揄されるように開発期間19年、開発費4000億以上かかった複雑なシステムで、「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」という本にもなっていますので、興味のある方は一読をお勧めします。 私は富士通の関係者ではないのですが、ソフトのシステム設計に関わる立場から、原因を考察してみたいと思います。富士通の内情は「5年いた富士通を退職した理由」というブログ記事を参考にしました。日本のIT業界の構造的な問題に対する私の考察です。 (考察開始) 日本の大規模システムは、富士通をはじめとする大手のIT企業が受注します。建設大手ゼネコンと同様に業務は下請けに委託し、下請けは更にその下請けに再委託していきます。 開発元は、仕様書まで下請けに丸投げするため、システム設計、コーディングすら出来ない社員がいると予想されます。彼らの仕事は下請けの選定と進捗管理のみで、実際にシステムの障害が発生してもその内容を把握できません。更に再委

「罪の声」 週末は家で映画を

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以前は、週末にブロックバスターやTSUTAYAで観たい映画の DVDを借りて家で観ていましたが、現在はAmazon Fire TV Stick 4K Maxでアマプラ会員のプライム・ビデオをオンデマンドで観る生活へ変わりました。便利な時代に感謝です。 Amazon Fire TV Stickは非常によく出来たデバイスで、TVのHDMI端子に差すだけで、インターネットTVになります。最近のTVに内蔵されているインターネットTV機能よりもはるかに優れているのでアマプラ会員の方は購入をお勧めします。7月11日からAmazonプライムデーが始まるので期間中に購入すると更に安くなるかもしれません。 週末は4Kの大型TVとサラウンドスピーカーで、ビールやワインを飲みながら映画を観るのも良いものです。 プライム・ビデオも色々な映画があるので選ぶのが大変ですが、最近ではトム・クランシーのジャック・ライアンのファイナルシーズンがはじまりました。この作品もお勧めのAmazonオリジナルシリーズです。 今回、プライム・ビデオで無料で観ることができるお勧め映画「罪の声」を紹介します。 「罪の声」は塩田武士のサスペンス小説を原作とした2020年に公開された、小栗旬と星野源の初共演の映画です。1984年に大阪・神戸で起きた多くの謎を残した未解決事件「グリコ・森永事件」の真相に迫るサスペンス・ミステリー映画です。 映画では「ギン萬事件」とされていますが、フィクションとノンフィクション入り混じった非常によく出来た脚本と小栗旬と星野源の演技・存在感が伝わってくる作品です。又、梶芽衣子・宇崎竜童・火野正平・橋本じゅんなどの脇を固める俳優陣もいい仕事をしています。 特に子供の頃に自分の声が事件の脅迫テープに使われたことを知り、真相を調査していく京都でスーツの仕立て屋をする一般男性に扮する星野源の演技が素晴らしいです。 星野源は、「逃げ恥」や「MIU404」等のドラマ俳優、「よみがえる変態」をはじめとする軽妙なエッセイを執筆する作家、新垣結衣の夫と多彩な顔をもつ、細野晴臣に憧れる有名ミュージシャンですが、映画俳優としても素晴らしい才能を発揮しています。 小栗旬と星野源のバディが事件の真相に迫ると、事件に巻き込まれた犯人の一人の家族の壮絶な人生を知ることとなります。ひとしきり事件が解決し、ストーリーが終了し

「プリゴジンの乱」 仁義なき戦いのヤクザ国家ロシア#1

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今回の「プリゴジンの乱」をみて、多くの人がヤクザ映画「仁義なき戦い」もしくは「ゴッドファーザー」を思い出したのではないでしょうか。 本記事では反社会的勢力をあえて「ヤクザ」と記載します。 ウクライナ戦争については、いつか語りたいと思っていました。21世紀のグローバル社会に生き、地球温暖化や人口爆発問題、経済格差と世界規模の課題を地球人として議論すべき時代に、16世紀のロシア帝国の亡霊「プーチン」が戦争を起こし、世界中が迷惑を被るとは誰も予想していなかったからです。 プーチンという残忍なサイコパスの正体を知るために、お勧めの本があります。 「プーチン ロシアを乗っ取ったKGBたち 上・下 (原題)PUTIN’S PEOPLE』キャサリン・ベルトン著(日本経済新聞出版)」 著者は英フィナンシャル・タイムズ紙の特派員として長らくロシア報道に携わってきた記者で、多くの関係者へのインタビューを通じてプーチンの正体を正確に描いています。 プーチンはKGB( 国家保安委員会)として、東ドイツの西側のハイテク企業の情報を非合法に盗み出す工作を行っていました。KGBはソ連の非合法活動(法律を無視して密かに行動する)グループで、現在はFSBと呼ばれる組織です。 この本はソ連崩壊後にプーチンが故郷サンクトペテルブルクの副市長に就任したこと、そこでマフィア組織と結託し利権を手にし、最終的にはプーチンのインナーサークルと呼ばれる身内(ヤクザの兄弟分と組員)と共にロシアを乗っ取る過程が詳細に述べられています。 アメリカの政府高官が「ロシアは国家の仮面を被った、マフィアが経営する巨大ガソリンスタンドである。」と言ったように、ロシアは国家を装った犯罪組織です。 彼は、典型的なサイコパスであるがゆえ、平気で嘘を付き、自国民・他国民の死に対してなんの感情も持っていません。 敵対勢力の暗殺(イギリスで実行された リトビネンコ事件が有名。)数々の 自作自演による自国民の殺害(1999年 ロシア高層アパート連続爆破事件が有名。)などやっていることはヤクザそのものです。 不幸にしてヤクザの隣に住んでいる国が「ウクライナ」であり「日本」です。 これは、映画「仁義なき戦い」のシーンですが、「プリゴジン」が内部闘争を起こして組長「プーチン」から、粛清されるのをオジキの「ルカシェンコ」が取りなしてコトを収めたが、まだ