ステージという名の建築物 NHK「解体キングダム」にユーミン登場 

  8月2日NHKで午後7:57-8:42分に放送された番組「解体キングダム ~ユーミン50周年ツアー 驚きのステージ解体~」が面白かった。音楽ファンで見逃した方はNHK+で視聴することをお勧めします。

NHKの「解体キングダム」はふだん見ることのできない解体現場に潜入し、知られざる日本の技術を紹介する番組で通常は建築物を取り上げますが、今回は50周年ツアー中のユーミンのステージがテーマです。

ユーミンのステージに関しては、プチ自慢のエピソードがあります。大学時代に「ホット・スタッフ」というイベント会社でアルバイトをしていたことがあり、ユーミンの山梨でのコンサートの設営と警備をしたことがあります。ネットで検索したらツアー名は「Surf & Snow 水精の見た物語」1981年の1月19日 山梨県民会館で、アルバム「Surf & Snow」のプロモーションツアーで公演数は29会場32講演だったことが分かりました。会場設営でステージにプールを運び込んだのを覚えています。機材用トラックは2、3台でした。

それから40年余り経ち、今回の50周年アリーナツアー、全54公演のステージはアリーナ用にステージそのものを作成して15mの支柱を4本立てて天井に音響照明を釣り上げて構成します。設営作業に2日間かかります。機材用トラックも27台となりました。

コンサート終了後にこの建築物とも言える巨大ステージをスタッフ、アルバイトを含め200名の「チーム・ユーミン」6時間でバラ(解体)します。作業は各セクションごとに並列で行われ、時に協力したりして手際よく進んでいきます。ステージは建築物以外にも電子機器の照明、音響、そしてその制御装置間がケーブルによって接続されているため、これらも全て接続を外していきます。

そして、外された機材は次々とトラックに搬入され、搬入後にトラックは次の目的地に出発します。リミットがあり一歩間違えると大事故につながる作業はとても大変で、神経を使いますが、スタッフは「ユーミン」のコンサートに関われることでモチベーションと高揚感を感じながら作業を進めていきます。

完全に搬出が終わりアリーナが元の姿に戻るのを見ると、本人も番組の中で語っていたように「切なく」なり、切ないからこそ次のツアーを目指したくなる。

今回のツアーのタイトル「The Journey」のように、ライブツアーはユーミンとスタッフにとって繰り返される高揚感と切なさの旅ではないでしょうか。

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