騙す人、騙される人、騙されない人 情報世界のサバイバル術#1
私は世の中には騙す人、騙される人、騙されない人の3つのタイプの人がいると思っています。騙す人は、嘘をつくことに罪悪感がなく一定の人を騙して自らの利益を得る邪悪な人。騙される人は、邪悪な人の言うことを無邪気に信じ、結果邪悪な人々を助ける愚かな人。騙されない人は邪悪な人の言うことに疑問を持ち、事実を調べたり、他の人の見解を聴いたり、自ら考えたりする賢い人です。 世界は邪悪な人、愚かな人、賢い人で構成されていると仮定すると、今起きている、福島汚染水放出問題、台湾有事、ウクライナ戦争、従軍慰安婦問題等、色々な事象が説明できるのではないでしょうか。昔から、色々な詐欺事件があり、騙した犯人と騙されてしまった被害者と言う単純な構図がありましたが、インターネット、SNSの普及に伴い、騙された事が分からなかったり、嘘は国境を超え世界中に、リアルタイムで拡散していきます。 私が衝撃的だった出来事は、2016年のアメリカの大統領選挙で大方の予想を覆して、トランプが大統領になったことです。SNSや集会を駆使しトランプ(邪悪な人)は支持者(愚かな人)を獲得しアメリカの大統領に就任しました。この選挙戦はトランプを勝たせて民主主義を弱体化させたいロシアの関与もあり、正にサイバー領域や認知領域と呼ばれる私達の頭の中の感情がコントロールされた最初の情報戦争だったかもしれません。 その後アメリカはより深く分断されていきます。「フェイクニュース」により邪悪な人々が嘘を信じる人と信じない人との分断をあおります。マサチューセッツ工科大学(MIT)のレポートでは「フェイクニュース」のSNSでの拡散スピードは事実より20倍速いと言われています。人はより過激なもの、怒り、憎しみに対して過剰に反応します。Qアノンのディープ・ステイトをはじめ、騙されない人にとって荒唐無稽な陰謀論の類でも騙される人は一定量います。 現在、既存メディア、ネット、SNSと大量な情報の中にも騙す側からの認知領域をコントロールするような「フェイクニュース」「印象操作」が巧みに行われています。今まで騙されない人が騙される人になる可能性もあります。次回#2では情報(information)を知恵(intelligence)に変えて騙されない人になるにはどうしたらいいのかを考えたいと思います。 ※1 イラストはBing Image Center(