日本縮小#2 なぜ日本でイノベーションが起きないか? 農耕VS狩猟

日本縮小#2。今回は、日米のIT関連分野に絞って、私の考えを述べてみたいと思います。

【原因1:気質】
日本は、島国で農耕民族であり、古代から天皇を中心とした歴史ある国です。昔からあまり危険を犯してまで冒険する必要もなく、安全・安心な暮らしを好みます。また、農耕民族の場合、集団で作業を行うため「和」を重んじます。いわゆる空気を読むことです。

一方、米国は欧米からの狩猟民族が移民してできた新しい国です。米国のITの中心地シリコンバレーのあるカリフォルニアは、約200年前からゴールドラッシュと呼ばれる金を求めるために一攫千金を狙う山師が世界中から集まった地域でもあります。「和」よりも個人主義が強く、空気を読まないことが多いです。

日本は、良くも悪くも成熟した人々の静かな国であり、一方の米国は山師たちが一攫千金を狙う活気ある国です。イノベーションはゴールドラッシュから生まれたのかもしれません。

イノベーション


この図は、2004年からGoogleで検索されたキーワードを可視化するサービスを使って、「技術革新」と「イノベーション」のキーワードを可視化したグラフです。このグラフには、それぞれのピークの要因と考えられるイベントを示します。

A.2006/9:イノベーション25戦略会議(内閣府) B.2013/1:イノベーションの創出(経団連)C.2021/6:総合イノベーション戦略(内閣府)D.2022/6:総合イノベーション戦略(内閣府) イノベーションに関心が向いたのは安倍内閣の頃からです。

一方、GAFAMのイノベーションの歴史を年代的に並べます。
2004年にFacebookが誕生し、2005年にはYouTubeが開始され、2006年にはAWS(クラウドコンピュータ)がスタートし、Twitterも同じ年に始まりました。さらに、2007年にはiPhoneが販売され、2009年にはWindows 7がリリースされました。

【原因2:米国の戦略】
日本がイノベーションを起こせなかった2つめ理由は、バブル時代まで遡ります。1980年代、日本の経済は急成長していましたが、米国は日本に追い抜かれることを恐れ、半導体業界を攻撃し始めました。1986年9月には「日米半導体協定」が締結され、その後、韓国や台湾が半導体技術の開発に乗り出し、そしてサムスンやTSMCといった企業が発展することになりました。 

又、1988年に制定された「スーパー301」と呼ばれる包括通商競争力法があります。当時、国産OS構想TRONが進められていましたが、これにMicrosoftが反発しました。そして、小中学校の教育用パソコンの標準OSをBTRON(PC用TRON)しようとする構想を潰しました。こうして、イノベーションの種である「半導体」「OS(ソフトウェアの基本)」が、戦略的に狩猟民族の米国によって潰されたのです。

現在、米国が中国に対してファーウェイの締め出しや半導体製造機械の制裁を行っているのは、再びイノベーションを潰そうとしているからではないでしょうか。しかし、このような手法が本当に正しいのでしょうか? 

では私たちはどうするか?#3に続く

イメージはCanvaAIで生成(キーワード:農耕民族,日本)

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