Speed of Life 銀行破綻とインフォデミック
最近、アメリカのシリコンバレーバンク、シグネチャーバンクの経営破綻と金融不安が広まりつつあります。原因は、同然各金融機関の経営の失敗と各国の利上げ政策にあると言われていますが、破綻を加速させたのがSNSであると言われています。
シリコンバレーバンクは2日でスピード破綻に追い込まれました。政府関係者は「これはTwitterにあおられた初めてのバンクラン(取り付け騒ぎ)だ。正しい道筋を見極めるには冷静さを保ち、臆測ではなく事実を見ることが重要だ。」と発言しています。
2020年にコンサルティング会社デロイトトーマツは「1世紀で150万倍に増大した情報伝達力 ~ 情報の急速な伝染「インフォデミック」とは」というレポート公開しました。「インフォデミック」とは情報(Information)の流行(Epidemic)の意味で、「情報の急速な伝染(Information Epidemic)」を短縮した造語で、2003年にSARSが流行した際に使われ始めました。
SARS流行時(2002年)の情報伝達力はスペイン風邪当時の約2.2万倍、新型インフルエンザ流行時(2009年)は約17.1万倍となり、そして、新型コロナウイルスが流行している2020年現在では、スペイン風邪流行時の約150万倍にまで到達しました。ラジオ、テレビの普及は勿論ですが最近20年間の伸び率を牽引しているのはTwitterを始めとするSNSです。
このグラフは約100年前のスペイン風邪を1として場合のパンデミックの情報伝達力を示すグラフです。(デロイトトーマツレポートより引用)
SNSは災害時の情報共有等便利な点もありますが、ファクトチェックを経ない情報はデマの拡散や、悪意を持ったフェイクニュースの拡散の危険性があります。マサチューセッツ工科大学のTwitter研究では「事実が伝播するのは1000人程度であるのに比べ、ウソは多い時は10万人まで拡散する。拡散力において100倍、拡散速度は20倍」という結果がで出ています。
SNSはロシアや中国等の権威主義国家の情報戦の兵器としても使われています。「認知戦(Cognitive Warfare)」と呼ばれる世論操作、世論の分断工作です。2016年アメリカの大統領選でのロシアの介入(ロシアゲート事件)は有名です。今後、chatGPTに代表される生成AIによって悪意をもったフェークニュースが大量に生産される可能性があり、早くも2024年のアメリカ大統領選への影響が懸念されています。
情報が多すぎて脳のプロセッシング能力を超えつつあります、私の対策はSNS断ちです。Elon Musk氏がTwitterのCEOになった日に、Twitterのアカウントを削除しました。理由はSNSをさほど使っていなかったのと、セキュリティが担保できなくなりアカウントの流出がするのではないかと思ったためです。アカウントがなくても矢野顕子のTwitterが見れなくなった以外は 特に不自由は感じません。
SNSから離れて、たまには情報伝達速度は遅いけれど、ほぼ真実が書かれている本をじっくりと読むのも良いのではないでしょうか。
タイトル「Speed of Life」はDavid BowieのアルバムLowの曲へのオマージュです。
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