DUNE砂の惑星 Part2 映像公開 最高難易度SF映画失敗の歴史

 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF映画 「DUNE砂の惑星 Part2」の予告映像が解禁となりました。公開は2023年中とのことです。「DUNE砂の惑星 Part1」(2021年)は素晴らしい映画だったので、ファンにとっては公開が楽しみです。

「DUNE砂の惑星 」はフランク・ハーバート作のSF小説であり、壮大なスケールの小説は映像化が困難とされ最高難易度SF映画と呼ばれています。

最初に挑戦したのは、アレハンドロ・ホドロフスキー監督でした。予定されていたキャスティングはサルバドール・ダリ - 銀河帝国の皇帝役、ミック・ジャガー - ファイド・ラウサ役、H・R・ギーガー - 建造物デザイン、そして音楽ーPink Floydです。キャスティングを聞いただけでも、うまく行きそうにありませんが、やはり頓挫します。

その経緯は、ドキュメンタリー映画「ホドロフスキーのDUNE』(2013年)で本人から詳しく語られています。本作はAmazonPrimeで観ることができます。


次に挑戦したのが、デヴィッド・リンチ監督であり、1984年に無事公開されました。ミュージシャンのSting出演し、音楽はTOTO,BrianEnoが担当したことで話題となり、私も映画を見に行きました。個人的には、世界観を含め非常に良い映画だと思いましたが、興行的には大失敗しました。上映時間2時間では物語の全てを語ることは元々無理があったためと言われています。

その後、2000年にテレビドラマ「デューン/砂の惑星」、「デューン/砂漠の救世主」と「デューン/砂丘の子供たち」が全6話で映像化されます。レンタルビデオで観ましたが、作りが貧相であまり良いとは思いませんでした。

再度映画化に挑んだのが、『メッセージ』(2016年)や『ブレードランナー2049』(2017年)で、評価された気鋭のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督です。私もこの2本の映画は観ましたが非常に良い作品でした。

「DUNE砂の惑星 Part1」(2021年)は興行的にも大成功しました。要因は、監督の才能以外に撮影技術の進化と、過去の作品に対するリスペクトと失敗から学んだ戦略です。小説の長さを考慮し、最初から2部構成で企画されました。

ゴジラ映画のファンの庵野秀明の作成した映画「シン・コジラ」とおなじように、前作品をリスペクトしつつ失敗を学び、最新の技術で最良の作品を再構築(Rebuild)する「シン・DUNE砂の惑星」公開が楽しみです。

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