日本縮小#4 「22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる 」

 日本縮小#4は、政治改革の話題です、タイトルは成田悠輔(なりた ゆうすけ)氏の本の名前です。非常に面白い本なので一読をお勧めします。


彼はアメリカでイェール大学助教授でマルと四角のメガネをかけている新進気鋭の研究者です。テレビやYouTube番組でよく見かけましたが、「高齢者は集団自決を」発言が批判されて最近は出演を控えているようが、私は彼の活躍に期待しています。

この本では、政治家が選挙で有利になるために、SNS上での人気投票やAIによる分析が行われるようになり、政治家がネコのようなシンボルでも人気を集めるようになる「ディストピア」と、その解決策である「無意識データ民主主義」が論じられています。

現在、資本民主主義は富める者をさらに勝たせることが得意な「暴れ馬・資本主義」に「民主主義という手綱」をかけることでバランスを保ってきましたが、21世紀を迎え民主主義の劣化が目立ってきました。

SNSを使った中東の民主化運動である「アラブの春」は新しい民主主義を予感させましたが、すぐに頓挫しました。SNSはむしろフェイクニュースの拡散装置として機能し、米トランプ大統領等のポピュリスト政治家の増殖と、ロシア・中国のプロパガンダ、サイバー攻撃による他国への選挙介入を許してきました。

「無意識データ民主主義」周りの声や一時の情動、情報などに簡単に流されてしまう選挙の代わりに、民衆の無意識レベルの欲求や目的を集約するシステムの構築を提案しています。民衆の色々なデータを収集し、最適解をアルゴリズムにより「選挙なしの民主主義」を実現するというものです。つまり毎日データ収集により世論調査が実施され、政治に反映されて行く未来です。

2022年にNHKで放送されたドラマ「17才の帝国」では世界からは斜陽国の烙印を押されている日本の出口のない状況を打破するため、AIを使った新しい民主主義の実験が描かれています。星野源、田中泯の演技が素晴らしい近未来のドラマでした。

荒唐無稽のようですが、多くのテック企業では、ビックデータやエビデンスをもとにソフトウェアがデータによる経営者への意思決定のサポートを行なっています。

すぐには実現は困難でしょうが、第一段階として、意思決定に無駄な「参議院」という集団を廃止し、政治家の定年制度の導入及び立候補のためのITリテラシー・政治経済の基本知識の資格テスト(最低でも政治家自身でメール出来ること)の導入から始めることが必要ではないでしょうか。

日本縮小#5は「私を含めた高齢者にできること」について触れます。お楽しみに。

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