映画「オッペンハイマー」 3人の学者の生き方

 クリストファー・ノーランは好きな監督の一人です。彼の新作映画「オッペンハイマー」(Oppenheimer)が2023年7月21日に日本で公開されます。

「オッペンハイマー」は、ドイツの原子爆弾開発に対抗してアメリカが始めた原子爆弾開発プロジェクト「マンハッタン・プロジェクト」のリーダーである物理学者オッペンハイマーを描いたノンフィクション映画です。クリストファー・ノーラン監督は、SFアクション映画が得意ですが、今回は「ダンケルク」と同様の戦争歴史モノに挑戦します。

私の一番好きな作品は「インセプション」です。この2010年のSFアクション映画には、レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョセフ・ゴードン、マリオン・コティヤールらが出演しました。物語は、さまざまな夢の世界に入り込んで情報を盗むプロの盗賊たちの話です。話は夢が多重構造になっているために複雑ですが、夢の中の映像がスタイリッシュで美しく、最後まで楽しませてもらえました。また、メンバーを集めていくシーンはスパイ映画のオマージュでもありますし、あるミッションを遂行するプロジェクトの話でもあります。

製品開発やソフト開発では、規模に応じて開発部門、テスト部門、マニュアル部門などから人材を集めて〇〇プロジェクトという名前のプロジェクトを立ち上げます。このプロジェクトを統括するのがPL、すなわちプロジェクト・リーダーです。

最新作は、PL「オッペンハイマー」がマンハッタン・プロジェクトというミッションを遂行していく苦悩と、現在、リアルな世界危機として捉えられている、核の問題にどう向き合ったのかが描かれると思います。3名の学者が、映画でどう描かれるのかのが楽しみです。1人目はオッペンハイマー自身です。

2人目はアインシュタインです。アインシュタインが原爆を作るようにルーズベルト大統領に手紙を出したことが、核兵器製造の発端だったとの定説がありますが、実際はどうだったのか興味があります。

なぜなら、アインシュタインの方程式「E=MC²」は質量が欠ける時に巨大なエネルギーに変換されるという、原子爆弾の根本的なの理論だからです。

3人目は、コンピューターの父フォン・ノイマンです。現在、私たちの使用しているスマートフォン(コンピューター)はノイマン型と呼ばれるプログラム実行形式のコンピューターで動作しています。コンピューターは、原子爆弾の弾道や威力を予測計算をするために誕生しました。
つまり、技術革新と核兵器とは密接に繋がっています。

現在、ウクライナ戦争において核兵器が現実の問題となっている中、クリストファー・ノーラン監督がどのように核兵器や学者たちを描き、何を訴えるのか、是非観てみたい映画です。

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